経済分析第20号
日本経済の賃金循環モデル-中間報告 1954III~1964IV- 他

  • <分析>日本経済の賃金循環モデル-中間報告 1954III~1964IV-
  • <資料>計量計算モデルにおける予測統計の利用
1966年12月
<分析1>
浜田 文雅,後藤 典澄,池田 裕夫,一色 晃造
<分析2>
野田 孜,楠田 義,荏開津 典生

<分析> 日本経済の賃金循環モデル-中間報告 1954III~1964IV-

(はしがき)

この小論は、今春から開始した資金循環モデルにより戦後日本経済の構造分析作業に関する中間報告要旨である。周知のように、資金循環モデルは、実物的な取引き活動だけでなく、金融的な取引き活動をも同時に握することを意図して設定される。金融的な取引きは、各経済主体間の「信用」の授受であるから、これをエクスプリシットに取り扱うためには、金融取引をその形態別に若干の種類に分類し、それに対応して、経済全体を適当に部門分割することが必要になる。また、計測に利用されるデータ(資金循環表と国民所得データ)は、これらの理論面からの要請を満足するように統合、整備されなければならない。しかし、現段階では多くの難点が依然として残されている。

それにもかかわらず資金循環モデルの計測を試みる理由は、通例の巨視的計量経済モデルの計測が、国民所得データの整備を促す一助となったように、この種のモデル分析の発達が、国民所得勘定と資金循環表の統合、整備と相互依存的になることを期待するとこにある。われわれは、このモデルを試行錯誤的に改善しながら、財政・金融政策に関する政策シミュレーション分析を試みることも意図している。

このモデルは、経済全体を個人、法人企業、市中金融、日本銀行、政府および海外の6部門に分割し、各部門の実物的取引き行動と金融的取引き行動をシスマテイックには握し、それらの行動の相互依存性を明らかにすることを意図している。ここに、実物的取引きは、最終生産物市場および労働市場における各部門の需要行動を、金融取引きは、資金調達および貨幣・金融資産の需要行動を表わしている。最終生産物の供給がわは、個人および法人企業を一括して取り扱う。最終生産物の生産関数を与件とした利潤極大原理に基づいて、最終生産物供給関数を求める。需給ギャップは、最終生産物の総合物価水準のラグを伴う変動を通じて調整される。同時に、消費財物価、投資財物価、なども決定される。したがって、ある部門に起こった実物的または金融的な取引きの変化は、他のすべての部門の行動に影響を与えることになる。

個人税および法人税関数および個人、法人の減価償却関数の推定結果は、「財政ユニット」によって提供されたものである。


全文の構成

  1. 1ページ
    はしがき別ウィンドウで開きます。(PDF形式 539 KB)
  2. 1ページ
    I.序論
  3. 2ページ
    II.資金循環モデルの構成
    1. 6ページ
      1 資金使途・源泉のバランス
    2. 7ページ
      2 貨幣・金融市場のバランス
    3. 8ページ
      3 最終生産物市場のバランス
  4. 8ページ
    III.モデルの推定結果
  5. 14ページ
    IV.モデルの推定結果の解説
  6. 21ページ
    V.結論にかえて
  7. 22ページ
    参考文献別ウィンドウで開きます。(PDF形式 1.8 MB)
  8. 22ページ
    付I.資金循環データの作成について
    1. 22ページ
      1 部門分割
    2. 23ページ
      2 金融資産,負債項目の整理および統合
    3. 23ページ
      3 各種金融資産・負債別バランス,および部門別貸借バランス
  9. 26ページ
    付II.計測結果のグラフ
  10. 44ページ
    付III.各部門別参考式

<資料> 四半期別粗資本ストックの推計

(農林水産業の年次別改算値)

当研究所においては、すでに戦後における「年次別・産業別の民間企業の粗有形固定資産残高」の推計を行い、『経済分析』第17号(41年3月)に発表した。その後、四半期別ストック(全産業、製造業)の推計を完了したのでここに発表する。また、さきに発表した年次別・産業別のうち、農林水産業は、暫定的な推計値であったので、今回、あわせて推計を完了し、年次別改算値として発表する。

四半期系列の粗有形固定資産残高(以下「粗資本ストック」と呼ぶ。)は、さきに推計した年次系列の粗資本ストックの推計方法に準拠して行なったものである。したがって、本来、両系列の各年末現在の推計値(全産業、製造業についてだけ)は、一致しなければならないが、主として、国民所得統計における資料上の制約と、両系列の推計方法の若干の相違により、必ずしもみあっていない。

以下、1、粗資本ストックの推計方法のアウトライン 2、年次系列と四半期系列の推計方法の相違点および利用上の注意点 3、農林水産業(個人、年次系列)の粗資本ストックの推計方法、の順序で推計方法の概要を述べる。


全文の構成

  1. 全文別ウィンドウで開きます。(PDF形式 520 KB)
  2. 51ページ
    (付) 農林水産業の年次別改算値
  3. 51ページ
    1 粗資本ストック推計方法のアウトライン
  4. 53ページ
    2 年次系列と四半期系列の推計方法の相違および利用上の注意点
    1. 53ページ
      (1) 両系列の推計方法の相違点
    2. 53ページ
      (2) 国民所得の資料上の制約からくる相違
    3. 54ページ
      (3) 両系列の利用上の注意点
  5. 54ページ
    3 農林水産業(個人)の粗資本ストック推計方法の概容
    1. 55ページ
      (1) 建物
    2. 55ページ
      (2) 構築物
    3. 55ページ
      (3) 中小農具
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