経済分析第53号
1960年代における世界貿易構造の変動

1975年3月
片野 彦二,田中 洋一郎,坂口 俊輔

(はしがき)

"国際経済ユニット"は、現在、1980年における世界貿易構造の予測を行なっている。現在の経済学者がもっている経済予測の方法は、ローマ・クラブのといったプロジェクトが採用しているような遠い将来における主要な変数に特定の値を与えた上で、それに付随する諸種の従属変数の値をきめるという方法をとるのでない限り、非常に限られた将来についてしか何も言えない。1975年の現時点で1980年の予測を行うことは、たいして困難なことではなさそうであるが、世界貿易構造に関しては、現在利用できる統計資料はせいぜい1971年までのものである。しかし、これは1962年以降のものしかまとまって利用可能な状態となっていない。このような統計資料についての制約のもとで、1980年の予測を行うことには非常な困難が伴なうものである。そこで当ユニットとしては、予測にあたって、多くの補助資料を用い、予測される径路の修正を最大限に行なうことを企画している。本稿の分析結果も、まさにこの目的のためにえられるものである。

本稿においては1962年と1971年の2つの年次における貿易マトリックスを用いて、この期間における世界貿易構造の変動パターンを把えることにする。この結果は予測された1980年の貿易マトリックスと1971年のそれを用いて、同様の計算方法でえられる結果と比較され、その両者が合理的に結びつけて説明されるかどうかを検討した上で、予測の結果の正当性を保証しようという目的のために用いられる。

本稿においては、(1)世界各国の貿易収支構造の変動、(2)商品別国際分業構造の変動、および(3)世界貿易構造の変動の3つの側面についての分析を行う。


全文の構成

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  2. 1ページ
    I はしがき
  3. 1ページ
    II 貿易マトリックス
    1. 2ページ
      1 貿易マトリックスの枠組
    2. 2ページ
      2 国名リスト
    3. 3ページ
      3 商品リスト
    4. 3ページ
      4 貿易フローの特性
    5. 30ページ
      5 1962年と1971年における貿易マトリックス
  4. 30ページ
    III 貿易収支構造の変動
    1. 30ページ
      1 貿易収支均等化係数
    2. 32ページ
      2 貿易収支構造の変動
  5. 36ページ
    1. 37ページ
      1 商品別分業構造係数
    2. 39ページ
      2 商品別分業構造の変化
  6. 76ページ
    1. 76ページ
      1 輸出成長の諸要因-CMS分析-
    2. 80ページ
      2 輸入構造変化の諸要因-CMS分析の拡充-
    3. 83ページ
      3 世界貿易構造の変化
  7. 102ページ
    VI あとがき
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