経済分析第70号
労使組織と賃金
-賃金の制度要因の計量分析-

1978年2月
降矢 憲一,吉岡 昭子,小西 和彦

(はしがき)

高度成長下の労働需要の増大によって、わが国が労働力過剰経済から労働力需給均衡の経済へ転換したのが昭和30年代と40年代中頃までの時代であり、賃金は5年に2倍前後という早いテンポで上昇をつづけた。

こうした状態から、わが国の賃金変動は経済成長、労働力需給などの主要な経済変量で十分説明されるとし、事実現在開発されている賃金関数の多数は労働力需給指標、収益指標、物価指数などを説明変数とするものである。これは市場仮説に対し、賃金決定機構としての春斗の規模拡大、影響力強化など、労使組織に着目したいわば制度仮説に立脚した賃金関数の分析は春斗の賃上げなどに限定したものを除けば例外的である。

本分析はその例外的な制度仮説に立ってわが国の賃金をどの程度説明しうるかを産業組織プロジェクトの作業成果に依拠して賃金関数の数量的分析として試みたものである。

なお、大阪大学橘木俊詔氏から有益なコメントを頂戴したことを付記しておく。


全文の構成

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  2. 1ページ
    はしがき
  3. 1ページ
    I  賃金関数の展開
  4. 5ページ
    II  制度仮説に基づく賃金の実証分析
    1. 5ページ
      1. モデルの枠組
      1. 5ページ
        1) 分析の対象
      2. 5ページ
        2) 関数型と指標
    2. 7ページ
      2. データ分析
      1. 7ページ
        1) 産業別賃金動向
        1. 7ページ
          1)-1 賃金水準と賃金変動
        2. 17ページ
          1)-2 労働力構成要素の変動による影響を除去した標準化賃金
      2. 19ページ
        2) 労組の組織率と企業の生産集中度
        1. 19ページ
          2)-1 組織率の水準と動向
        2. 22ページ
          2)-2 企業規模により標準化した組織率
        3. 31ページ
          2)-3 集中度の水準と動向
        4. 32ページ
          2)-4 組織率と集中度
      3. 33ページ
        3) 賃金と組織率,集中度,有効求人倍率との単相関関係
    3. 35ページ
      1. 35ページ
        1) 賃金水準(レベル)関数の分析結果
      2. 49ページ
        2) 賃金変動率(ドット)関数の分析結果
      3. 50ページ
        3) 時期区分による比較
      4. 56ページ
        4) クロス・セクションによる分析結果
  5. 付属資料
    1. 60ページ
      1. 賃金(1人当り年度月間平均給与総額)-中分類-
    2. 61ページ
      2. 賃金(1人当り年度月間平均給与総額)-特掲分類-
    3. 63ページ
      3. 組織率
    4. 65ページ
      4. 集中度(3社)C3-単純平均-(中分類)
    5. 67ページ
      5. 集中度(4社)C4-加重平均-(中分類)
    6. 69ページ
      6. 集中度(3社)C3-単純平均-(特掲分類)
    7. 69ページ
      7. 集中度(4社)C4-加重平均-(特掲分類)
    8. 71ページ
      8. 平均年令
    9. 73ページ
      9. 女子比率
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