経済分析第102号
世界経済モデルによる政策シミュレーション研究

1986年2月
  • 守屋 友一,田中 努,鶴岡 詳晁,八代 尚宏,貞広 彰,吉川 薫,若林 芳雄,川崎 研一,増淵 勝彦,丸山 雅章,宇都宮 靖宏,柿崎 昭裕,金城 毅,鈴木 郁夫,坂 雄二郎,藤間 龍二,藤原 直哉,吉田 あつし

(紹介)

 経済研究所は昭和54年度に世界経済モデルの開発に着手し,3年有余の期間で一応の完成をみたが,以来本モデルに改良を加えつつ,各種政策分析のため活用してきた。とくに,昭和57年度と58年度には国際シンポジウムを開催し,政策シミュレーションによる研究成果を報告し,内外の専門家から高い評価を得た。また,昨年11月には1985年と1986年の2カ年について,米国の財政赤字の拡大に伴って生じている米国の金利の高止まりが,為替減価懸念から各国の金融緩和策をとる自由度を制約し,その需要抑制効果が景気後退を導く可能性があるという問題,および世界経済が安定的な成長を維持するための仮説としての,各国のマクロ経済政策の協調のあり方を探るという政策課題についての政策シミュレーションを行い,「世界経済モデルによる政策シミュレーションの研究」として発表した。これによれば,米国が財政赤字削減・金融緩和を行い,その他各国が金融緩和と政府支出の若干の増加を行うことによって,各国は成長率を高めることができるということが示唆されている。この研究は内外においても注目され,例えばOECDの「Economic Outlook」(1985 June)でも本研究の成果が引用されている。

 本年の研究は昨年11月以来の世界経済の変化,とくに9月23日以降の為替協調介入の効果も織り込みつつ,今後2年間の我が国を含む世界経済における政策課題について,学術的見地から計算的な政策シミュレーションを試みたものである。


<付属分析>
「世界経済モデルによる政策シミュレーション研究」における各国経済の展望:1985-1988

 本文の「世界経済モデルによる政策シミュレーション研究」においては,日本・米国・西ドイツなど主要国についての財政・金融政策の効果を中心に分析した。本分析は,本文の作業の付属分析として,世界経済モデルを構成する9カ国及び世界貿易について,単純外挿ケースと各国財政・金融による政策協調ケースを中心に,主要経済項目について各論的展望を行ったものである。

 なお,本文及び本分析に用いた世界経済モデルは,1984年2月版(経済分析97号参照)を,一部改訂したものであり,これに,原則として,1985年4-6月期までの情報を加味して,若干の修正を行った。このため,1984年~1985年中に公表された米国,日本,西ドイツ,イギリス,韓国の国民所得統計の基準年次改定の情報は織り込まれていない。


全文の構成

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  2. 1ページ
    世界経済モデルによる政策シミュレーション研究

  1. <付属分析>
  2. 「世界経済モデルによる政策シミュレーション研究」における各国経済の展望:1985-1988
  3. 12ページ
    はじめに
  4. 13ページ
    各国経済の動向
    1. 13ページ
      1.米国
    2. 22ページ
      2.日本
    3. 31ページ
      3.西ドイツ
    4. 38ページ
      4.イギリス
    5. 45ページ
      5.フランス
    6. 51ページ
      6.イタリア
    7. 59ページ
      7.カナダ
    8. 66ページ
      8.オーストラリア
    9. 72ページ
      9.韓国
    10. 77ページ
      10.世界貿易
    11. 81ページ
      (補足)世界経済モデルの若干の改訂
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