経済分析第105号
計量経済モデルへの合理的予想形成仮説の導入とインフレ・為替分析への応用

1986年11月
  • 刈屋 武昭,西田 卓馬,広瀬 晴子,深尾 京司,松江 由美子,藤間 龍二,森 茂

(テーマ)

 本研究の目的は,(大型)計量経済モデルにおける合理的予想形成仮説の導入法とその方法の問題点の研究,およびその方法のもとでの実証分析を行うことである。

 一般に計量モデルでは,インフレ率とか為替レート等の将来の予想変数が含まれていることが多い。これらの予想変数は当然のことながら観測不能であるため,実際の分析ではそれらを何らかの形で与える必要がある。その与え方としては,これまで経済主体の予想形成仮説として,しばしば

  1. (1) 静学的予想形成仮説
  2. (2) 外そう的予想形成仮説
  3. (3) 適応的予想形成仮説
  4. (4) 回帰的予想形成仮説
  5. (5) 時系的予想形成仮説

等が利用されてきた。これらの予想形成仮説の共通した問題点は,予想すべき変数の値も結果的には対象とする経済構造から生成されるという事実を考慮していない点である。すなわちこれらの予想方式では,たとえばt+1期の為替レートを予想する場合,それがt+1期において実際に決定されるメカニズム(経済構造)を無視して,それを独立に与えることになるという問題点をもつ。もし与えられた計量モデルが分析対象の経済構造を表現しているのであれば,予想すべき変数はその計量モデルを通じて実現することになるのであるから,その計量モデルに基づいてその予想値が形成されるとみるのが自然であり,論理的合理性をもっている。これが本研究のテーマである。


全文の構成

  1. 要旨別ウィンドウで開きます。(PDF形式 485 KB)
  2. 1ページ
    第1章 問題の所在
  3. 3ページ
    第2章 計量モデルにおける合理的予想形成仮説と計算法
  4. 10ページ
    第3章 合理的インフレ予測
  5. 30ページ
    第4章 為替レート分析-深尾モデル
  6. 38ページ
  7. 57ページ
    付 図別ウィンドウで開きます。(PDF形式 415 KB)
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