経済分析第119号
財政投融資-公的金融-の研究 他

1990年7月
<分析1>
松浦 克己(経済企画庁経済研究所主任研究官)
<分析2>
松浦 克己(経済企画庁経済研究所主任研究官)
橋本 俊詔( 同 客員主任研究官、京都大学経済研究所教授)
井村 浩之( 同 委嘱調査員、東洋信託銀行)
<分析3>
松浦 克己(経済企画庁経済研究所主任研究官)
三井 清  ( 同 客員研究員、明治学院大学経済学部講師)
北川 浩  ( 同 客員研究員、成蹊大学経済学部講師)
井村 浩之( 同 委嘱調査員、東洋信託銀行)

<分析1> 財政投融資-公的金融-の研究

(要旨)

本章では、財政投融資、公的金融の概念、そのシステムについて整理する。そのうえで、財政投融資、公的金融の量的な推移や機能に関し概観し、その抱える課題についてみる。


全文の構成

  1. 要旨別ウィンドウで開きます。(PDF形式 396 KB)
  2. 2ページ
    第1章 財政投融資-公的金融-の概要
    1. 2ページ
      第1節 財政投融資-公的金融-の概念
      1. 2ページ
        第1項 広義の財政投融資、公的金融の概念
      2. 3ページ
        第2項 財政投融資の計画の概念
      3. 4ページ
        第3項 財投計画に関する法制度
    2. 4ページ
      第2節 財政投融資の推移と実績
      1. 5ページ
        第1項 財投計画の量的な推移
      2. 7ページ
        第2項 財投計画の内訳の推移
    3. 16ページ
      第3節 財政投融資の公的部門における機能
      1. 16ページ
        第1項 財投による中央政府・公団等のファイナンス
      2. 18ページ
        第2項 財投による地方政府のファイナンス
    4. 22ページ
      1. 22ページ
        第1項 公的金融、公的金融仲介の推移
      2. 23ページ
        第2項 資金調達と公的金融仲介
      3. 26ページ
        第3項 資金供給と公的金融仲介
      4. 29ページ
        第4項 公的金融の金利体系と我が国の金利体系
    5. 38ページ
      第5節 財政投融資-公的金融-の課題
      1. 39ページ
      2. 58ページ
        第2項 システムとしての財投の課題
  3. 61ページ
    1. 61ページ
      第1節 財投、公的金融の定義と範囲
    2. 62ページ
      第2節 公的金融の資金吸収と資金供給
      1. 62ページ
        第1項 公的金融の増加、低利融資の背景
      2. 63ページ
        第2項 家計の資産選択と郵貯
      3. 66ページ
        第3項 政府金融機関による資金供給
    3. 69ページ
      第3節 財投、公的金融の金利とコスト
      1. 69ページ
        第1項 財投、公的金融の金利体系
      2. 72ページ
        第2項 出資、補助金等の効果
    4. 73ページ
      第4節 金融、財政の構造変化と財投、公的金融の課題
      1. 73ページ
        第1項 国家財政、地方財政と財投、公的金融
      2. 75ページ
        第2項 システムとしての財投、公的金融の課題

<分析2> 家計の金融資産選択と公的金融

(要旨)

1.目的 

財政投融資-公的金融-に関しては、「初めに原資ありき」と言われる。財投の主たる原資は、郵貯、簡保、厚生年金等である。この中でも郵貯、簡保は市場メカニズムを通じて調達され、家計の金融資産においても重要な地位を占めている。このため、本研究においては、家計の金融資産選択行動の分析により郵貯や簡保に対する選択の特徴を明らかにする。この分析にあたって、総務庁「貯蓄動向調査」(84~88年)の個票データを用いている。

2.研究の特色 
 本研究の特色は以下の6点である。 
  • a. 分析対象の金融資産として、郵貯や簡保のみならず銀行預金、生保、株式等10種類を取上げて、家計の金融資産選択行動全般について分析すると共に資産選択の相互比較を通して郵貯や簡保の選択に対する特徴を解明したこと。
  • b. 保有関数(ある金融資産を持つか持たないかの保有確率)と需要関数(ある金融資産を保有する場合、その需要金額)の双方を推計したこと。そのためにTobit model type 2 と言われる計量手法を採用したこと。
  • c. 個票データを利用することにより、世帯主年齢、家族数、就業者数等の家計の属性を明示的に考慮したこと。
  • d. 5年分のデータを用いることにより、単年度データでは分析が困難な金利の影響を明示的に考慮したこと。
  • e. 負債総額を説明変数に入れ、住宅ローンをはじめとする負債の影響を考慮したこと。
  • f. 店舗指標を取り入れることにより、家計の金融サービスへのアクセスの程度、あるいは店舗政策の影響を考慮したこと。 

全文の構成

  1. 要旨別ウィンドウで開きます。(PDF形式 363 KB)
  2. 82ページ
    「家計の金融資産選択と公的金融」要旨
  3. 89ページ
    1.1 家計の金融資産選択について
  4. 89ページ
    1.2 クロスセクション・データによる資産選択の研究の先行例
  5. 90ページ
    2.  トービット・モデルについて
  6. 93ページ
    3.  データについて
  7. 95ページ
    4.1 モデルの定式化
  8. 96ページ
    4.2 所得・資産・負債を世帯(家計)単位でとらえることについて
  9. 97ページ
    4.3 金利等について
  10. 99ページ
    4.4 店舗について
  11. 100ページ
    5.1 推計のパターン
  12. 101ページ
    5.2 家計の金融資産選択の全体的な特徴
  13. 107ページ
    5.3 個別の金融資産の選択について
  14. 115ページ
    6.  結語

<分析3> 貸出市場と公的金融

(はじめに)

財政投融資の一翼を担う公的金融(政策金融)は、我が国貸出市場で重要な位置を占めている。通常、公的金融の目的として量的補完(信用割当の解消)と質的補完(低利融資等)とがあげられる。本研究においては貸出市場の均衡・不均衡分析により、公的金融が存在する下において、貸出市場は均衡して信用割当が存在しないのか、又は依然として不均衡で信用割当が存在するのかを検証することにより、公的金融が結果として量的補完効果を達成している可能性をみる。あわせて、均衡・不均衡分析の実証結果の知識を利用して、公的金融機関の貸出の変化が社会的余剰をどのように増減させるのかを計測し、公的金融機関の存在が社会的にメリットを与えているか否かの厚生効果を分析する。


全文の構成

  1. 要旨別ウィンドウで開きます。(PDF形式 477 KB)
  2. 140ページ
    「貸出市場と公的金融」要旨
  3. 145ページ
    1.    貸出市場の分析
  4. 146ページ
    2.    不均衡分析について
  5. 148ページ
    3.    貸出市場の不均衡モデルの定式化
  6. 148ページ
    3.1   モデルの基本構造と全体的なデータ
  7. 150ページ
    3.2.1 全国銀行貸出市場
  8. 151ページ
    3.2.2 全国銀行貸出市場の推計結果
  9. 156ページ
    3.2.3 対数形による全国銀行貸出市場の推計結果
  10. 159ページ
    3.3.1 中小企業貸出市場
  11. 161ページ
    3.3.2 中小企業貸出市場の推計結果
  12. 166ページ
    3.3.3 対数形による中小企業貸出市場の推計結果
  13. 168ページ
    3.4.1 住宅金融市場
  14. 170ページ
    3.4.2 住宅金融市場の推計結果
  15. 173ページ
    4.1   厚生分析のための理論的枠組
  16. 180ページ
    4.2   厚生効果の計測結果
  17. 184ページ
    5.    結びにかえて
  18. 187ページ
  19. 194ページ
    補論2  借手の余剰と需要関数の関係
  • 〒100-8914
    東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
  • 電話 03-5253-2111(代表)