経済分析第130号
景気循環の類似性

1993年3月
  • 上野 達雄(経済企画庁経済研究所前次長)

(要旨)

景気循環の理論についての歴史は、日本よりアメリカで長く、アメリカでは15年位のサイクルで景気循環に対する関心の高まりがくり返されている。

実際、戦後不況を初めて経験した1949年、ケインズ政策が活用されたもののインフレの後、戦後最大の好況を経験した1969年、そして2度の石油ショックを経験した後の1984年と3回にわたって、大規模な景気循環に関するコンファレンスが開かれている。

このように景気循環が度々議論の対象となるのは、経済は理論が想定しているような均衡径路に沿って成長しているのではなく、そこから離れた状態に長く留まっていることが多いからである。

本論文では、第1章でアメリカ経済の変化をHistoricalな手法で把えたBurnsの見解とその後の展開をレビューし、次にその理論的な背景について簡単に述べる。

更に、景気変動のHistoricalな分析手法から一歩進んで、数量的に把えるため、モデルを使った例をアメリカ経済について見る。

第2章では、同様な手法を用いて日本経済を分析し、景気変動の要因について明らかにする。

結論として、アメリカ経済同様、日本経済においても、戦後みられた景気変動は同一のパターンの繰り返しでなく、各変動とも独自の要因に起因し、そのパターンも同じでなかったことが明らかとなった。


全文の構成(PDF形式、 全1ファイル)

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  2. 3ページ
    第1章 景気分析の視点
    1. 3ページ
      1. アメリカ経済の変化
    2. 6ページ
      2. 理論的背景
    3. 12ページ
      3. アメリカ経済の分析事例
  3. 16ページ
    第2章 VARモデルによる日本経済分析
    1. 16ページ
      1. VARモデルの変数の選択
    2. 16ページ
      2. VARモデル(I)の推計
    3. 23ページ
      3. 期間別の分析
    4. 29ページ
      4. VARモデル(II)の推計
    5. 29ページ
      5. VARモデル(I)の構造方程式の推計
    6. 33ページ
      6. VARモデル(II)の構造方程式の推計
  4. 38ページ
    第3章 時差相関分析
    1. 38ページ
      1. 各変数の選択
    2. 38ページ
      2. 時差相関関係の特徴
    3. 40ページ
      3. 結論
  5. 43ページ
    (補論1)経済変数の特性
  6. 51ページ
    (補論2)景気後退の確立分析
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