経済分析第178号
経済分析第178号(ジャーナル版)

平成18年11月
(論文)
取引銀行の破綻が企業経営に及ぼす影響について-阪和銀行破綻の事例分析-
村上 佳子(前政策研究大学院大学修士課程)
マクロ経済スライド下における積立金運用でのリスク
北村 智紀(ニッセイ基礎研究所金融研究部門)
中嶋 邦夫(ニッセイ基礎研究所金融研究部門)
臼杵 政治(ニッセイ基礎研究所金融研究部門)
日本企業のIT化の進展が生産性にもたらす効果に関する実証分析-企業組織の変革と人的資本面の対応の役割-
黒川 太(東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員)
峰滝 和典(富士通総研主任研究員)
(調査)
地方債と地方財政規律
土居 丈朗(慶應義塾大学経済学部助教授、前内閣府経済社会総合研究所客員研究員)
林 伴子(内閣府経済社会総合研究所特別研究員)
鈴木 伸幸(野村総合研究所社会産業コンサルティング部上級コンサルタント)
(資料)
短期日本経済マクロ計量モデル(2005年版)の構造と乗数分析
村田 啓子(内閣府日本学術会議事務局参事官、前内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官)
斎藤 達夫(経済産業省中小企業庁金融課、前内閣府経済社会総合研究所研究官)
岩本 光一郎(内閣府経済社会総合研究所部外研究協力者、早稲田大学現代政治経済研究所)
田邊 健(内閣府経済社会総合研究所行政実務研修員)

(要旨)

(論文)

取引銀行の破綻が企業経営に及ぼす影響について-阪和銀行破綻の事例分析-

本稿では、阪和銀行の破綻が取引先非公開企業の経営に及ぼした影響について分析した。その結果、阪和銀行をメインバンクとしていた企業は、他と比べて、破綻直後期の利益水準が有意に低くなっていることが分かった。この結果は、メインバンクとの取引関係の断絶が、蓄積された情報が失われるという意味で、少なくとも一時的には、非公開企業の資金調達にとって重大なコストとなるケースがあるということを示している。


マクロ経済スライド下における積立金運用でのリスク

2004年改革の結果、積立金運用が給付水準や年金財政の健全性に大きく影響するようになった。確率的ALMで分析した結果、現在の運用方針では2030年前後までであれば財政危機を回避できる。しかし、国内債券の期待リターンを市場金利並みとした場合には、よりリスクのある資産配分でなれば財政設計上の目標を達成できないため、積立度合の下方リスクが高まることがわかった。今後は、制度設計と運用方針の一体的な検討が不可欠である。


日本企業のIT化の進展が生産性にもたらす効果に関する実証分析-企業組織の変革と人的資本面の対応の役割-

本稿では日本企業におけるIT化の進展が生産性にもたらす効果に関して、企業組織と人的資本の観点から分析を行っている。実証分析結果から、IT化の進展はそれ自体で生産性に対して寄与しているが、企業組織変革や人的資本の対応と結びつくことでさらに生産性が高まる可能性がある。ただし、統計的有意に効果がみられる企業組織変革は一部であり、IT化に伴う有効な企業組織変革が十分進んではいないことも示唆される結果となった。


(調査)

地方債と地方財政規律

本稿では、地方債管理と財政規律の国際的な動向について先行研究を鳥瞰するとともに、主要4カ国の現地調査により制度と現状、問題点を比較調査した。これら調査から、地方財政規律の源泉が市場メカニズムによる金利差の存在であること、市場のアクターによる返済可能性の厳密な調査が財政規律を生んでいること、財政ルールの存在が市場メカニズムを補完するものとして重要な機能を果たすこと等を明らかにした。


(資料)

短期日本経済マクロ計量モデル(2005年版)の構造と乗数分析

内閣府経済社会総合研究所では、90年代以降の日本経済から推測される構造変化と最新データに基づくモデルへの要請とに鑑み、「短期日本経済マクロ計量モデル」を1998年に公表した(堀・鈴木・萱園[1998])。その後も2001年、2003年、2004年に改訂状況を報告している。本資料は、SNA支出系列への連鎖方式導入を踏まえて、更に改訂を重ねた2005年10月段階のモデルの状況を紹介するものである。


本号は、政府刊行物センター、官報販売所等別ウィンドウで開きます。にて刊行しております。

全文の構成

(論文)

「取引銀行の破綻が企業経営に及ぼす影響について-阪和銀行破綻の事例分析-」別ウィンドウで開きます。(PDF形式 219 KB)

村上 佳子

  1. 3ページ
    1.はじめに
  2. 4ページ
    2.先行研究
  3. 8ページ
    3.実証分析
  4. 19ページ
    4.推計結果の整理
  5. 20ページ
    5.おわりに
  6. 20ページ
    参考文献

「マクロ経済スライド下における積立金運用でのリスク」別ウィンドウで開きます。(PDF形式 319 KB)

北村 智紀、中嶋 邦夫、臼杵 政治

  1. 3ページ
    1.背景と問題の所在
  2. 8ページ
    2.ALMモデル
  3. 15ページ
    3.分析結果
  4. 24ページ
    4.結論と政策インプリケーション
  5. 25ページ
    5.補論
  6. 30ページ
    参考文献

「日本企業のIT化の進展が生産性にもたらす効果に関する実証分析
-企業組織の変革と人的資本面の対応の役割-」別ウィンドウで開きます。
(PDF形式 466 KB)

黒川 太、峰滝 和典

  1. 3ページ
    1.はじめに
  2. 4ページ
    2.企業のIT化と企業組織に関する議論
  3. 6ページ
    3.データ
  4. 12ページ
    4.IT化の進展・企業組織変革が生産性にもたらす効果の推計
  5. 23ページ
  6. 30ページ
    6.結論
  7. 32ページ
    参考文献

(調査)

「地方債と地方財政規律」別ウィンドウで開きます。(PDF形式 401 KB)

土居 丈朗、林 伴子、鈴木 伸幸

  1. 3ページ
    はじめに
  2. 4ページ
    1 地方債管理と財政規律の国際動向
  3. 17ページ
    2 日本の地方債制度
  4. 22ページ
    3 米国の地方債制度
  5. 32ページ
  6. 51ページ
    5 各国の地方債制度の動向と我が国への示唆
  7. 56ページ
    参考文献

(資料)

「短期日本経済マクロ計量モデル(2005年版)の構造と乗数分析」別ウィンドウで開きます。(PDF形式 552 KB)

村田 啓子、斎藤 達夫、岩本 光一郎、田邊 健

  1. 3ページ
    1.はじめに
  2. 3ページ
    2.主要乗数シミュレーションの結果概要
  3. 5ページ
    3.シミュレーション結果
  4. 12ページ
    4.おわりに:残された課題
  5. 14ページ
    補論 今次モデルへのフォワードルッキングな期待形成の導入の試み
  6. 24ページ
    主要参考文献
  7. 25ページ
    経済社会総合研究所の概要と実績
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