ERI Discussion Paper Series No.73
中国経済の変化と世界経済
-CGEモデルによるシミュレーション分析-

March 1997
  • 川崎 研一(経済企画庁経済研究所主任研究官)
  • 堤 雅彦(同総括主任研究官付)
  • 小野 博(同行政実務研修員)

(要旨)

中国経済は、改革・開放以来、市場経済化と外資導入・貿易拡大により高成長を続けてきた。しかし、国有企業の経営悪化・淘汰、地域格差・所得格差拡大など、国内経済構造改革の上での難しい課題にも直面している。また、国際社会の中では、香港返還に伴う内外の摩擦の一方で、台湾とともに、世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)への加盟も課題となっている。

中国経済の潜在的な規模の大きさから、その世界経済への重大な影響が容易に類推される。さらには、今後展開される構造改革の方向性によっては、特定の地域や産業へのより深刻な影響も考えられる。中国経済自身の今後の動向のみならず、その世界経済、特に、アジア地域経済への影響が注目されている。

その際、マクロ的及びミクロ的に、影響の度合いを定量的に評価することが重要であるが、本稿では、それらの考察の一助とするため、経済モデルによるシミュレーション分析を行う。モデル分析の結果は、ある程度の幅をもってみる必要はあるものの、定量的な考察を行う上でのベンチマークとして、有益な情報を示唆してくれるものと期待される。

ここでは、数あるシナリオのうち、まず、現在、国際社会で最も関心を集めているウルグァイ・ラウンドの実施、およびアジア・太平洋経済協力(APEC:Asia-Pacific Economic Cooperation)貿易自由化行動計画に基づく中国における貿易自由化の効果を分析する。さらに、中国経済自身の生産性が伸び悩む形でその成長率が鈍化する場合の影響につき、合わせて分析する。

なお、この分析で用いる「世界貿易分析計画(GTAP:Global Trade Analysis Project)モデル」は、以下に説明される多国間、多部門の一般均衡モデルである。マクロ計量モデルとは異なって、これまでに経験したことのない政策変更や経済構造変化の効果、影響につき、部門別の分析が可能となっている。


全文の構成(PDF形式、 全4ファイル)

  1. Abstract別ウィンドウで開きます。(PDF形式 427 KB)
  2. 1ページ
    I. はじめに
  3. 2ページ
    II. 中国経済の概要
    1. 2ページ
      A. マクロ環境
    2. 2ページ
      B. 貿易
    3. 2ページ
      C. 産業構造
  4. 4ページ
    III. 中国経済の展望研究例
  5. 7ページ
    IV. シナリオ分析
    1. 7ページ
      A. モデルの概要
    2. 8ページ
      B. 地域及び商品・産業の分割
    3. 9ページ
      C. 貿易自由化の経済効果
    4. 12ページ
      D. 成長経路の変化
  6. 14ページ
    V. まとめ
  7. 15ページ
    VI. 補論
    1. 15ページ
      A. 各部門の特色
    2. 21ページ
      B. 弾力性
    3. 22ページ
      C. CGEモデル作成利用のステップ
    4. 23ページ
      D. 関税率引き下げの方法について
    5. 23ページ
      E. 厚生分析
  8. 28ページ
    図表
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