ERI Discussion Paper Series No.84
資本係数と投資比率の関係に関する一考察
-資本係数の低下は投資比率を低下させるか-

August 1999
  • 貞広 彰(経済企画庁経済研究所長)
  • 島澤 諭(同調整局国際経済第一課)

(要旨)

90年代初頭以降の日本経済の長期低迷の理由についてはさまざまな仮説が提起されているが、今回の景気低迷の中で最も大きな落ち込みを見せている最終需要項目は民間企業設備投資である。このような状況の中で、現在の厳しいストック調整が終了した後の資本係数や設備投資はどのようになるかという点に一つの関心が集まっているがこれに関しては次のような主張がある。例えば、我が国の資本係数は欧米と比べて既に高くなっているので、今後さらに資本係数が高まって投資比率が上昇するというこれまでのパターンが再来すると想定することは現実的でなく、ストック調整が終了しても今後の投資比率は上昇しないという主張がある。また、我が国の設備投資比率は、他の先進国に比してかなり高くなっており、今後ストック調整が終了したとしても投資の回復は見込めず、我が国の投資は資本係数が主要先進国並の水準まで大きく低下していくのではないかとの指摘もある。本稿の目的は不均衡状態におけるストック調整―資本係数―投資の関係に主たる焦点をあててこのような主張の現実妥当性を検討することである。


全文の構成(PDF形式、 全1ファイル)

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  2. 1ページ
    第1章 はじめに
  3. 1ページ
    第2章 ストック調整-資本係数-投資比率に係る予備的考察
  4. 3ページ
    第3章 ソロー=スワンタイプの成長モデルによる考察
    1. 3ページ
      3.1 モデル体系
    2. 5ページ
      3.2 主要なパラメータの想定
    3. 5ページ
      3.3 基準シュミレーション:均衡状態とストック調整下の不均衡状態の比較
    4. 7ページ
      3.4 乗数シュミレーション:技術進歩率の低下の影響
    5. 8ページ
      3.5 均衡状態における資本係数と投資比率
  5. 9ページ
    第4章 世代重複(OLG)モデルによる考察
    1. 9ページ
      4.1 モデルの構造と主要なパラメータの想定
    2. 11ページ
      4.2 基準シュミレーション
    3. 12ページ
      4.3 乗数シュミレーション:技術進歩率の低下と投資ショックの大きさの影響
  6. 13ページ
    第5章 むすび
  7. 17ページ
    補論1 ソロー=スワンモデル
  8. 19ページ
    補論2 資本係数とパラメータ
  9. 21ページ
    補論3 OLGモデルの構造
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