ERI Discussion Paper Series No.85
日本経済の今後の中長期的課題を巡る3つの論点について
-蓄積型経済から消費型経済への移行、
実質金利マイナス経済の現実妥当性、人口減少経済への移行-

August 1999
  • 貞広 彰(経済企画庁経済研究所長)
  • 島澤 諭(同調整局国際経済第一課)

(要旨)

本稿は日本経済が現在の長期低迷から脱却し再度均衡成長経路に復帰した後の日本経済の成長ポテンシャルおよびそれに関連した3つの論点を取り上げる。第1はこれまでような高い貯蓄経済から消費指向経済に移行した場合の日本経済の長期的な姿をどう描くかという点である。また、こうした消費指向型経済の落とし穴は何であるのか、そしてそれを回避する道は何かという点である。

第2の論点は、日本経済は現在高い貯蓄と低い投資によって大幅な貯蓄超過経済になっている。このような状況の中で、こうした高い貯蓄という蓄積型経済が今後とも持続した場合、貯蓄=投資という均衡状態を達成するためには均衡実質利子率は相当期間にわたってマイナスにならなければならないという主張があるが、この主張の現実妥当性とこのような実質金利マイナスという“罠”から脱却する道は何かという点について検討を行う。

第3は人口(労働力人口)の伸び率がマイナスという世界でも類を見ない局面に今後の日本経済は入っていくことは確実であるが、こうした低人口がもたらす“罠”から抜け出す道は何であるのかという論点である。本稿は世代重複(OLG)モデルを用いたシミュレーション分析によってこれらの論点に関して数量的な分析を行う。


全文の構成(PDF形式、 全1ファイル)

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  2. 1ページ
    1.はじめに
  3. 1ページ
    2.蓄積型経済から消費型経済への移行
    1. 2ページ
      2.1 1国OLGモデルによる分析
    2. 3ページ
      2.2 2国OLGモデルによる分析
  4. 6ページ
    3.実質金利マイナスの世界はありうるか
    1. 6ページ
      3.1 問題の設定と2国OLGモデル
    2. 6ページ
      3.2 実質金利が低くなる一つのケース
    3. 7ページ
      3.3 資本収益率と利子率が乖離する場合
    4. 8ページ
      3.4 実質金利マイナスの世界から抜け出す道
  5. 9ページ
    4.人口減少下の長期的姿
    1. 9ページ
      4.1 ソロー=スワンモデルによる試算
    2. 9ページ
      4.2 OLGモデルによる試算
  6. 12ページ
    5.むすび
  7. 14ページ
    補論 時間選好率と利子率の関係
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