ESRI Discussion Paper Series No.108
わが国における未充足求人の実証分析
-「雇用動向調査」個票を用いて-

2004年6月
  • 太田 聰一(名古屋大学大学院経済学研究科)
  • 有村 俊秀(上智大学経済学部)

要旨

本稿では、日本における未充足求人の決定問題を、事業所レベルのマイクロデータを用いて分析した。得られた主要な結果は以下の通りである。第1に、1990年代における未充足求人数の急激な減少のうち、3分の2程度は、求人を行っている事業所数が減少したことに求められる。残りの3分の1は、求人を行っている事業所が出している求人数の減少による。第2に、求人は主に建設業、製造業、卸売・小売業の零細および中小企業で失われた。第3に、Holzer(1994)の手法を用いて未充足求人率をいくつかの変数で推計したところ、離職率、地域失業率、従業員規模などが有意な影響を与えていた。なお、事業所の平均年齢や他事業所との労働異動も一定の影響をもたらしていた。第4に、1990年代の未充足求人率の低下は、労働需要を代表する事前求人率の低下と、充足率の上昇の双方によって説明することが可能であり、相対的には充足率の効果が事前求人率の効果よりも大きい。第5に、求人の充足率は大企業で高いが、これは企業規模が大きいほど未充足求人率が低下する要因のひとつになっている。

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全文の構成

  1. 2ページ
    (要旨)
  2. 3ページ
    1. はじめに
  3. 4ページ
    2. 予備的考察
  4. 6ページ
    3.日本における求人の動向
  5. 10ページ
    4.未充足求人関数の推計
  6. 14ページ
    5.事前の求職率と充足率
  7. 14ページ
    6.おわりに
  8. 12ページ
    〔参考文献〕
  9. 図表
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