ESRI Discussion Paper Series No.146
収穫逓増と独占的競争をとりいれた日本経済の応用一般均衡モデルの開発

2005年6月
  • 川崎 泰史(内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官)
  • 伴 金美(大阪大学大学院経済学研究科教授、内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官)

要旨

1.問題意識

応用一般均衡(CGE)モデルは、規制改革や税制、貿易などの分析に幅広く活用されており、本研究所でも経済企画庁経済研究所時代からCGEモデルを作成し成果を発表してきている。本論文は、昨年公表された2000年産業連関表をベースに日本経済の一般均衡モデルを作成し、そのシミュレーション結果を紹介するものである。

2.分析手法

本論文では、収穫逓増下での独占的競争を明示的に取り入れた日本経済の応用一般均衡モデルを作成した。本論文の特徴は、2000年産業連関表をベースに74部門の社会会計表を作成し、所得税、消費税および間接税の租税構造に基づいた均衡データセットを作成し、収穫逓増下での独占的競争状態における規制緩和の経済効果が分析できるようにしたことである。シミュレーションでは、参入・退出規制やマークアップ率規制の有無が経済厚生に与える影響が評価されている。また、炭素税導入による影響や、財政赤字削減のための税制改革の評価を試みている。

3.分析結果等

規制改革シミュレーションでは、技術革新が生じた際に参入・価格規制がない方が経済厚生をより大きく高められることなどを示している。また、税制シミュレーションでは、炭素税導入による部門別の影響などをみている。

なお、本モデルはGAMS-MPSGEというCGEモデルでは一般的なソフトを用いて作成しており、本論文で用いたデータとプログラムをホームページからダウンロード出来るようにしている。本論文のモデルは一家計の静学モデルにとどまっているが、今後、複数家計、動学化など拡張・発展させていくうえでの出発点となることを期待する。

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  2. 1ページ
    要旨
  3. 3ページ
    はじめに
  4. 4ページ
    1.2000 年の日本経済の社会会計表
    1. 4ページ
      1.1 部門分類
    2. 6ページ
      1.2 屑・副産物の処理
    3. 7ページ
      1.3 消費税の扱い
    4. 8ページ
      1.4 社会会計表
  5. 10ページ
    2.モデルの構造
    1. 10ページ
      2.1 企業行動モデル
    2. 15ページ
      2.2 家計行動モデル
    3. 15ページ
      2.3 一般均衡モデルとしての記述
  6. 17ページ
    3.規制改革のシミュレーション
    1. 17ページ
      3.1 規制改革の経緯
    2. 18ページ
      3.2 収穫逓増モデル
    3. 20ページ
      3.3 参入・退出規制と競争促進政策
    4. 20ページ
      3.4 独占的競争力低減による競争促進政策
    5. 21ページ
      3.5 技術革新と規制改革
  7. 26ページ
    4 税制改革のシミュレーション
    1. 26ページ
      4.1 炭素税(表4.1)
    2. 28ページ
      4.2 財政赤字削減の税源(表4.2)
  8. 30ページ
    おわりに
  9. 31ページ
    (参考1) 弾性値によるモデルの感応度の相違
  10. 33ページ
    (参考2) 日本経済一般均衡モデルのプログラム
  11. 42ページ
    参考文献
  12. データセット(ZIP形式 151 KB)
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