ESRI Discussion Paper Series No.165
幸福度研究の現状と課題――少子化との関連において

2006年6月
  • 白石 賢(内閣府経済社会総合研究所主任研究官)
  • 白石 小百合(帝塚山大学経済学部教授、内閣府経済社会総合研究所客員研究員)

要旨

本稿は、少子化の進展という観点から、子どもを持つことにおける幸福とは何かに関する研究を始めるにあたり、「幸福」とは何かについての疑問に答えるべく、幸福感についての概念整理、及び、幸福感に影響を与える要因に関する先行研究のサーベイを行った。幸福感に影響を与える要因についての研究結果で、主に少子化に関連するものを挙げると、(1)個人の幸福度は所得の増加と共に上昇するが、一定以上を超えると飽和点が観察される。それは、人々が相対所得を参照しているためである(hedonic tread mill 効果)。(2)加齢と共に幸福度はU字状を描く。(3)失業は幸福度を低下させる。一方で、仕事のストレスが高いと幸福度は低下する。(4)既婚者の幸福度は高いが、近年、未婚者との格差に縮小傾向がみられる。(5)子どもの誕生と子育てに伴い特に母親に負担がかかることから、結婚の幸福度は低下する。(6)ただし、親は子育てを通じて子どもからpositiveな影響を受け、更に離婚を防止するという効果もある。(7)子どもの数が増えるに従い、フルタイムの雇用の場合の結婚の幸福度は低下する、といったことである。

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  2. 1ページ
    1.はじめに
  3. 2ページ
    2.「幸福感」の概念整理とデータ
    1. 2ページ
      2.1 幸福感とは
    2. 6ページ
      2.2 現在の幸福度調査
    3. 7ページ
      2.3 幸福度データによる国際比較
    4. 9ページ
      2.4 日本人に関する幸福度データ
  4. 10ページ
    1. 11ページ
      3.1 所得
    2. 14ページ
      3.2 所得格差・不平等度
    3. 15ページ
      3.3 就業と生産性
    4. 16ページ
      3.4 年齢・性別・身体的・精神的健康などの個人属性
    5. 18ページ
      3.5 婚姻状況などの社会的関係
    6. 21ページ
      3.6 政治経済体制と国民性
  5. 23ページ
  6. 24ページ
    5.おわりに
  7. 25ページ
    参考文献
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