ESRI Discussion Paper Series No.172
日本の賃金格差は小さいのか

2006年12月
  • 太田 清((株)日本総合研究所主席研究員、内閣府経済社会総合研究所特別研究員)

要旨

問題意識

日本は個人間の所得格差に関し、平等な国であるのか、そうではないのか。本稿では所得の多くを占める労働所得、特にまたその多くを占める賃金について、その格差の状況を他の先進国との比較を通してみてみる。特にここでは、通常行われている年間ベースの賃金格差の比較だけでなく、生涯ベースの賃金格差をも比較する。日本は賃金が年功的に決められており、年齢間格差が大きい。そのために生涯賃金での格差は、年間賃金のようにある時点で測った格差に比べて大きくないという可能性があるからである。

分析方法

OECDの労働力データベースにより、先進15カ国中で比較した。生涯賃金の格差の代理変数として、年齢別賃金格差(同一年齢階級内賃金格差)を用いた。

分析結果

日本は年齢計の賃金格差では15か国中真中よりもやや格差が小さい。賃金が上の方よりも下の方での格差が大きめである。年齢別賃金格差(同一年齢階級内賃金格差)を代理変数としてみた「生涯賃金」格差では、日本は最も格差が小さい国に属している可能性がある。


<お知らせ> 「表3-2の訂正について」(07.01.24)

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全文の構成

  1. [要旨]
  2. 3ページ
    1.はじめに
  3. 3ページ
    2.比較対象の国と使用するデータ
  4. 4ページ
    3.分析結果―先進国の中での日本の賃金格差の位置
  5. 7ページ
    4.結論と今後の課題
  6. 7ページ
    参考文献
  7. 8ページ
    補論 日本が平等に見えすぎていないかの検討
  8. 11ページ
    図表一覧
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