ESRI Discussion Paper Series No.180
コンセンサス予測は単なる平均的な予測か?
-ESPフォーキャスト調査の評価の再検討-

2007年4月
  • 河越 正明(内閣府経済社会総合研究所特別研究員(大臣官房総務課参事官))

要旨

「ESP フォーキャスト調査」(以下、ESPF と呼ぶ。) の2004、2005 年度の4 指標(実質GDP 成長率の年度値・四半期値、CPI 上昇率及び失業率の四半期値) の予測値のデータを検討したところ、いわゆるコンセンサス予測の成績が比較的良好であり、かつ、その結果は評価方法の多少の変更に依存しない頑健なものであることが確認された。これは、実現値が「予測を裏切る」ような外れ値になることが頻発するからであり、コンセンサス予測は常に大きく間違わないことが、良い成績を残す理由である。個別の予測者にとっては、コンセンサス予測より良い結果を一度出すことは比較的容易だが、それを継続することは困難である。また、実現値が外れ値となるのは、点推計値である予測値が密集している度合いに比べ、個々の予測者が自分の予測値に割合大きな幅をもって考えていることの反映と理解できる。こうした結果として、ESPFにおいては、コンセンサス予測が優れた予測であるという利用者にとっての価値と、コンセンサス予測を上回る結果を残すことは決して不可能ではないという参加者にとっての誘因が、両立する仕組みであると解釈することが可能である。さらに予測を組み合わせる効果を検証すると、実質GDP 成長率の四半期予測値で一番大きくRMSE が減少し、1.5%ポイント程度の低下が見られた。

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  2. 5ページ
    1 はじめに
  3. 6ページ
    2 ESPFとその評価
    1. 6ページ
      2.1 ESPF とは何か
    2. 7ページ
      2.2 コンセンサス予測の予備的考察
    3. 9ページ
      2.3 評価方法
    4. 13ページ
      2.4 評価結果
  4. 14ページ
    3 再検討1. 頑健性
    1. 14ページ
      3.1 ウェイトの変更
    2. 15ページ
      3.2 総合化の仕方
  5. 18ページ
    1. 18ページ
      4.1 予測値のバラツキと実現値
    2. 19ページ
      4.2 解釈と含意
  6. 23ページ
    5 予測を組み合わせるメリットの定量化
  7. 25ページ
    6 結び
  8. 29ページ
    A 予測時点に応じたウェイトの計算の詳細
    1. 29ページ
      A.1実質GDP成長率の年度予測値
    2. 30ページ
      A.2 CPI 上昇率及び失業率の四半期予測値
    3. 30ページ
      A.3 実質GDP 成長率の四半期予測値
  9. 32ページ
    B 推計結果
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