ESRI Discussion Paper Series No.192
企業犯罪における「企業利益目的」と「個人利益目的」の違いは量刑に影響を与えるか
-法人税法違反の量刑因子に関する計量分析-

2007年12月
  • 白石 賢(内閣府経済社会総合研究所主任研究官)
  • 白石 小百合(横浜市立大学国際総合科学部教授・元内閣府経済社会総合研究所客員研究員)
  • 山下 篤史(元内閣府経済社会総合研究所研究官)
  • 村上 貴昭(内閣府経済社会総合研究所研究官)

要旨

企業犯罪には、「企業利益目的」「個人利益目的」の2つの目的が存在する。裁判所の判決も、その目的の違いが量刑に影響する可能性を認めている。本論文は、法人税法違反の事例を用いて、その目的の違いが量刑に与える影響を計量分析的に検証している。その結果、企業利益目的で犯罪を犯すことは量刑にマイナスの影響を与えることが分かった。この結果は、社会的にみて妥当であると考えられる。しかし、犯罪抑止の観点からは必ずしも望ましいものとは言えない。それゆえ、企業犯罪における量刑論において、責任と予防の問題を再考する必要があると思われる。

また、量刑に関する計量的分析を行うことは、裁判・量刑過程の透明化に資するものであり、2009年から始まる裁判員制度に向け、その応用が期待される。

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全文の構成

  1. 1. 問題意識
    1. 5ページ
      1.1 はじめに
    2. 5ページ
      1.2 企業犯罪の目的と量刑
    3. 5ページ
      1.3 法人税法違反による企業犯罪の目的の違いによる量刑の差の検証
    4. 6ページ
      1.4 先行研究
  2. 2. データと計量方法
    1. 6ページ
      2.1 データ
    2. 14ページ
      2.2 計量方法
    3. 15ページ
      2.3 定式化と予想される符号条件
  3. 16ページ
    3. 推計結果
  4. 19ページ
    4. 推計結果の心理学的意味
  5. 19ページ
    5. おわりに
  6. 21ページ
    補論カウントモデルの計量方法について
  7. 22ページ
    参考文献
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