ESRI Discussion Paper Series No.212
中国の各地域において、経済発展の度合いの違いが環境汚染にどのような影響を与えているのか

2009年3月
  • 田口 博之(内閣府経済社会総合研究所総務部長)
  • 室伏 陽貴(内閣府経済社会総合研究所研究官)

要旨

本研究では、中国の後発地域が国レベルの環境保護の取組みによる効果を享受している(「後発性利益」を得ている)のか、もしくは環境保護の取組みから取り残されているのか、さらには汚染産業移転による環境悪化が生じている(「後発性不利益」を被っている)のか、を環境クズネッツ曲線の分析手法を用いてパネルデータ分析を行った。

その結果、(1)産業からの環境汚染物については環境クズネッツ曲線が成立、(2)汚水では地域レベルの後発性利益が存在し、排気ガス・廃棄物では地域レベルの後発性不利益が発生している、(3)汚水、二酸化硫黄、煤では国レベルでの後発性利益が確認された。

地域レベルでの後発性利益・不利益において、水質と大気・廃棄物で対照的な結果となったのは政策効果の相違が考えられる。成熟し、効果的に設定された水質汚染の規制により国レベルの取組みの効果が後発地域にも及んでいる。一方、未成熟かつ非効率の大気・廃棄物の規制は後発地域への汚染物移転をもたらしてきた可能性がある。また、汚水、二酸化硫黄、煤で国レベルでの後発性利益が確認されたことは、中国が発展途上国として先進国から進んだ技術の移転を受けていることをあらわしている。

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全文の構成

  1. 2ページ
    Abstract
  2. 3ページ
    1. Introduction
  3. 4ページ
    2. Previous Studies, Our Position
    1. 4ページ
      2.1 Empirical Testing of the EK Curve, Debates
    2. 5ページ
      2.2 Frontiers of EK-Curve Studies
    3. 7ページ
      2.3 Application of the EK curve analyses to China, Our position
  4. 8ページ
    3. Empirical Studies
    1. 8ページ
      3.1 Data
    2. 9ページ
      3.2 Overview of the Time-series EK Curves in Sample Provinces
    3. 9ページ
      3.3 Regression Analysis Using Provincial Panel Data
  5. 14ページ
    4. Concluding Remarks
  6. 16ページ
    Figures
  7. 17ページ
    Tables
  8. 18ページ
    References
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