ESRI Discussion Paper Series No.219
主成分分析によるマクロ経済パネルデータの
共通ファクターの抽出とその利用

2009年7月
  • 飯星 博邦(首都大学東京大学院社会科学研究科准教授)

要旨

本稿では欧米において近年注目されているStock andWatson (1998, 2002a,b) のDiffusionIndex の推定法を日本の約120 系列のマクロ経済パネルデータに適用し、これから共通ファクターを景気動向指数(Diffusion Index) として抽出した。さらにこの共通ファクター(因子) を利用して、主要マクロ経済変数の12 系列の予測およびこの予測値を用いたForward-looking型テイラールールの推定をおこなった。この推定結果から、抽出した共通ファクターは経済活動の先行指数として有用な情報を有していることが暗示された。このマクロ経済の大規模パネルデータから共通ファクターを抽出するStockand Watson (1998, 2002a,b) の手法は、近似ダイナミックファクターモデル(ApproximateDynamic Factor Model) と呼ばれる主成分分析をベースとした比較的簡単な計算で行える推定手法である。本稿では彼らの手法およびこの一連の最新研究に関するサーベイもあわせて行う。

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  2. 3ページ
    1 はじめに
  3. 4ページ
    2 近似ダイナミックファクターモデルと推定法
    1. 4ページ
      2.1 近似ダイナミックファクターモデルとその利点
    2. 5ページ
      2.2 推定方法
  4. 6ページ
    3 近似ダイナミックファクターモデルの先行研究
  5. 8ページ
    4 近似ダイナミックファクターモデルによる日本のマクロ大規模パネルデータの共通ファクターの抽出
    1. 8ページ
      4.1 データと推定期間
    2. 9ページ
      4.2 近似ダイナミックファクターモデルによる推定結果
    3. 10ページ
      4.3 各系列の Eit (idiosyncratic error) の相互相関が高い場合の対処法
    4. 12ページ
      4.4 一般化ダイナミックファクターモデルの推定
  6. 14ページ
    5 共通ファクターの利用方法
    1. 15ページ
      5.1 主要マクロ系列の予測
    2. 17ページ
      5.2 Forward Looking 型テイラールールの推定
    3. 19ページ
      5.3 Factor Augmented VAR (FAVAR) による金融政策の効果の測定
  7. 20ページ
    6 結語
  8. 21ページ
    7 引用文献
  9. 23ページ
    表 1. マクロ系列パネルデータについて
  10. 25ページ
    表 2. 主要マクロ経済系列の外挿予測 (予測期間: 2005 年2月~2008 年10 月)
  11. 29ページ
    表 3. Forward Looking 型Taylor Rule の推定結果
  12. 30ページ
    表 4. Forward Looking 型Henderson-Mckibbin-Taylor Rule の推定結果
  13. 31ページ
  14. 32ページ
    図 2 マクロ系列に対する共通ファクターの決定係数
  15. 33ページ
    図 3. 月次GDPの共通成分と各種フィルターによる循環因子
  16. 34ページ
    図 4. 主要マクロ系列の共通ファクターによる分解
  17. 35ページ
    図 5. Stock and Watson Rule A による共通ファクター
  18. 36ページ
    図 6. Stock and Watson Rule B による共通ファクター
  19. 37ページ
    図 7. 各カテゴリーの共通ファクターの関係
  20. 38ページ
    図 8. 実質データカテゴリーによる共通ファクターとその決定係数
  21. 39ページ
    図 9. 先行系列およびボラティリティカテゴリーによる共通ファクターとその決定係数
  22. 40ページ
  23. 41ページ
    図 11. 3 マクロ主要系列の一般化ダイナミックファクターモデルによる共通成分
  24. 42ページ
    図 12. 一般化ダイナミック・ファクター・モデルの静学的共通ファクター
  25. 43ページ
    図 13. 9 マクロ主要系列の12 ヶ月先外挿予測値と実績値
  26. 47ページ
    図 14. 各モデルの予測精度の比較
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