ESRI Discussion Paper Series No.225
DSGE-VARモデルの日本のマクロデータへの応用

2009年10月
  • 渡部 敏明(一橋大学経済研究所 教授)

要旨

DSGEモデルでは、モデルのパラメータをベイズ推定するときの事前分布をあたかもモデルから人工的なデータを発生させたものとして選択する。モデルをより信頼する場合には、モデルからより多くのデータを発生させればよい。そこで、モデルから発生させるデータ数を変えて推定し、周辺尤度によってモデルのフィットの良さを比較することにより、モデルからの事前情報がモデルの推定にどれだけ有用か、言い換えると、モデルの定式化がどの程度正しいかを分析できる。本稿では、こうしたモデルについて解説を行うとともにモデルの日本のマクロデータへの応用を行った。本稿では、DSGEモデルとしてChristiano , Eichenbaum and Evans[CEE,2005] で提案されている物価・賃金硬直性、消費の習慣形成、投資の調整コストなど、様々な市場の摩擦を加えたニュー・ケインジアン・モデルを用いている。CEEモデルをDSGEモデルとしたDSGE-VARモデルを日本のゼロ金利前のマクロデータに当てはめた結果、CEEモデルは定式化の誤りはあるものの、有用な情報を含んでいるとの結果が得られた。これは、Del Negro et al.[2006]ら米国のマクロデータについての結果と同様である。

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全文の構成

  1. 2ページ
    1. 序論
  2. 3ページ
    2. DSGE-VARモデルのベイズ分析
    1. 3ページ
      2.1 DSGE-VARモデル
    2. 5ページ
      2.2 DSGE-VARモデルの事後分布
    3. 7ページ
      2.3 周辺尤度
  3. 7ページ
    3. CEEモデル
    1. 8ページ
      3.1 家計
    2. 11ページ
      3.2 企業
    3. 13ページ
      3.3 市場の均衡条件
    4. 13ページ
      3.4 モデルの対数線形化
    5. 18ページ
      3.5 状態空間表現
  4. 18ページ
    4. データ
  5. 19ページ
    5. DSGE-VARモデルによるCEEモデルの評価
  6. 20ページ
    6. 結論
  7. 20ページ
    補論 A: 周辺尤度の修正調和平均推定量
  8. 22ページ
    補論 B: CEEモデルのまとめ
  9. 32ページ
    補論 C: DSGEモデルの解法
  10. 34ページ
    参考文献
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