ESRI Discussion Paper Series No.229
環境政策は技術進歩にどう影響するのか?ー気候・経済モデルによる技術進歩の方向性と速度の分析

2010年2月
  • カルロ・カラーロ教授(ヴェネチア大学、エニ・エンリコ・マッティ財団 IPCC第3作業部会副議長)
  • エマニュエル・マセッティ博士(エニ・エンリコ・マッティ財団)
  • リー・ニキタ博士(エニ・エンリコ・マッティ財団)

要旨

この論文は、温暖化ガスの安定化を目標とする環境政策が、技術進歩にどのような影響をどの程度与えるかを分析したものである。分析は、拡大版WITCH「世界経済の動学的統合地域モデル」を用いて行われた。このモデルでは、元々のWITCHモデルに含まれるエネルギー研究開発に加えて、非エネルギー研究開発が内生化され、その強化が資本・労働の生産性を高める形になっている。モデル分析により、我々は、環境政策が結果的にエネルギー部門の知識ストックを増加させることを確認した。

しかしながら、研究開発投資の総量は、非エネルギー研究開発がエネルギー研究開発の増加以上に減少することにより、減少する。実際、エネルギー投入と非エネルギー投入とが弱い代替関係にあるとき、環境政策に伴って経済活動全体が縮小すれば、研究開発投資総量は減少してしまう。しかし、エネルギー研究開発およびエネルギー部門への投資の強化は、非エネルギー研究開発をクラウドアウトしないことも、また明らかになった。

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全文の構成

  1. 2ページ
    1. INTRODUCTION
  2. 6ページ
    2. DIRECTED TECHNICAL CHANGE IN THE WITCH MODEL
    1. 6ページ
      2.1 Short Model Description
    2. 7ページ
      2.2 Directed Technical Change in the WITCH model
    3. 8ページ
      2.3 The R&D Sectors
  3. 9ページ
    3. CALIBRATION
  4. 12ページ
    4. BASELINE SCENARIO
  5. 17ページ
    5. STABILIZATION POLICY
    1. 17ページ
      5.1 Gross World Product, Consumption and Total Investments.
    2. 19ページ
      5.2 Energy and Non-Energy Investments
    3. 20ページ
      5.3 Energy R&D and Non-Energy R&D Investments.
    4. 25ページ
      5.4 Induced Technical Change and the Cost of Climate Policy.
  6. 26ページ
    6. CONCLUSIONS
  7. 29ページ
    Appendix A: Model Equations and List of Variables
  8. 33ページ
    Appendix B: Simplified WITCH model and Proof of Proposition1
  9. 35ページ
    Appendix C: Sensitivity Analysis
  10. 38ページ
    REFERENCES
  • 〒100-8914
    東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
  • 電話 03-5253-2111(代表)