ESRI Discussion Paper Series No.231
逐次モンテカルロ法に基づく動学的確率的一般均衡モデルの時変分析

2010年2月
  • 矢野浩一(内閣府経済社会総合研究所 主任研究官)

要旨

本論文では動学的確率的一般均衡モデル(DSGE)のパラメーター、自然率、景気変動を同時推定する手法を提案する。この手法はモンテカルロ粒子フィルターと自己組織化状態空間モデルに基づいている。さらに本論文の手法ではパラメーターと自然率を時変パラメーターアプローチ(TVP)を用いて推定する。TVP は不変パラメーターを推定する際に実務でしばしば用いられるものである。DSGE に関する先行研究の多くでは構造パラメーターはDeep(不変)であると仮定されることが多かったが、本論文の手法ではその構造パラメーターがどの程度安定的かを分析する。TVP を用いるメリットは構造パラメーターの構造変化が自然に検出できるという点にある。さらに、本論文では自然産出量、均衡実質金利などの自然率を時変推定する。実証分析としてはアメリカのデータを用いてニューケインジアンDSGE モデルの分析を行った。その結果、1985 年から2007 年のアメリカの自然産出量の成長率は平均して3.02、インフレ目標値は平均して2.46 であると分かった。さらに後期ボルカー時代から初期グリーンスパン時代にかけてテイラールールのインフレに反応する係数が上昇していること、中期グリーンスパン時代から初期バーナンキ時代にかけては約4.0 で安定していることが分かった。この結果はボルカー時代から初期グリーンスパン時代にかけてFRB はよりインフレ率の安定化に重点を移していったことを示している。また、2000 年代前半から2000 年代半ばに均衡実質金利がマイナスになった時期があり、それはFRB がデフレーションを防ぐために利下げを行ったことによると考えられる。

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全文の構成

  1. 1ページ
    1 Introduction
  2. 3ページ
    2 The Model
  3. 8ページ
    3 Empirical Analysis
  4. 14ページ
    4 Conclusion and Discussion
  5. 19ページ
    Appendix A Data Source
  6. 20ページ
    Appendix B Simulation Setting
  7. 20ページ
    Appendix C Estimation Method
  8. 23ページ
    References
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