ESRI Discussion Paper Series No.239
首都直下地震がマクロ経済に及ぼす影響についての分析

2010年7月
  • 佐藤 主光(一橋大学大学院経済学研究科教授)
  • 小黒 一正(世界平和研究所主任研究員 兼 経済産業研究所・コンサルティングフェロー)

要旨

本稿は簡単な(ケインズ型)マクロ経済モデルを用いて、首都直下地震が経済成長率や物価水準、金利、財政収支に及ぼす影響を試算することで、大規模災害がマクロ経済に与えるインパクトを定量的に評価する。結果、震災直後こそ実質GDPは落ち込むものの、その後復興需要に応じて経済は急回復すること、「平均的」にみれば、首都直下地震の効果は限定的なことが示された。その理由には、高齢化に伴い我が国の経済が低迷傾向にある中、大規模災害は大きなマクロの需給ひっ迫要因にならないことが挙げられる。ただし、インパクトの「分布」で評価すれば、金利の急上昇、財政の破たんの確率を総じて高めることも示された。本稿では、巨大災害の影響を抑える事前の対策とその効果についても検証する。事前策として取り上げるのは災害基金(キャプティブ)の積み立て、及び財政再建である。前者は、災害の直接被害を補てんするもので、迅速な復興を促す。他方、後者は復興需要の増加による金利の上昇圧力を緩和する効果を発揮する。

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  2. 3ページ
    1. はじめに
  3. 4ページ
    2. 既存研究
  4. 6ページ
    3. モデルの概要および係数の推定
    1. 6ページ
      3-1.モデルの概要
    2. 8ページ
      3-2.係数の推定
  5. 9ページ
    4. シミュレーション分析
    1. 9ページ
      4-1.シナリオの設定
    2. 11ページ
      4-2.分析結果および考察
  6. 14ページ
    5. まとめと今後の課題
  7. 16ページ
    〔参考文献一覧〕
  8. 17ページ
    図表1:モデル係数の推定結果
  9. 18ページ
    図表2:攪乱項の係数の推定結果
  10. 18ページ
    図表3:首都直下地震による被害想定
  11. 19ページ
    図表4:国内総生産(実質)の平均推移
  12. 21ページ
    図表5:経済成長率(実質)の平均推移
  13. 23ページ
  14. 25ページ
    図表7:資本ストック(実質)の平均推移
  15. 27ページ
    図表8:国債利回り(名目)の平均推移
  16. 29ページ
    図表9:基礎的財政収支(対GDP)の平均推移
  17. 31ページ
    図表10:公債残高(対GDP)の平均推移
  18. 33ページ
    図表11:公債発行比率の平均推移
  19. 35ページ
    図表12:キャプティブ(対GDP)の平均推移
  20. 36ページ
    図表13:2040 年の国債利回り(名目)の分布
  21. 38ページ
    図表14:2040 年の公債発行比率の分布
  22. 40ページ
    図表15:財政破綻確率
  23. 41ページ
    図表16:【参考】GDP ギャップの平均推移
  24. 43ページ
    図表17:【参考試算】国内総生産(実質)の平均推移
  25. 44ページ
    図表18:【参考試算】国債利回り(名目)の平均推移
  26. 45ページ
    図表19:【参考試算】公債残高(対GDP)の平均推移
  27. 46ページ
    図表20:【参考試算】公債発行比率の平均推移
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