ESRI Discussion Paper Series No.241
首都直下地震における地方財政への影響

2010年8月
  • 宮崎 毅(明海大学経済学部講師)

要旨

中央防災会議による首都直下地震(東京湾北部地震)の被害想定では、最悪の場合、死者数約11,000人、建物全壊棟数・火災焼失棟数約85万棟の被害規模が予測されている。このような未曾有の大災害に対して、国や自治体、研究者は震災の復興費用や事業の国費と地方負担額等を推計しているが、団体別、震災後の経過年別に地方負担額や一般財源負担額、さらに普通交付税増減額を推計した研究はほとんどない。そこで、本稿では、阪神・淡路大震災の直接被害額と震災財政の関係をもとにして、首都直下地震が地方財政に及ぼす影響を推計した。推計の結果、次のことが明らかになった。第1に、首都直下地震による震災関連事業における地方負担額は24.3兆円だが、そのうち地方債充当額が12.6兆円で一般財源負担額が11.7兆円となる。さらに、地方税収の減少を考慮すると、震災による普通交付税増加額は14.1兆円に達する。第2に、首都直下地震における復旧・復興事業費負担は、特に東京都において大きい。第3に、首都直下地震では特に震災後3年目、4年目に地方財政と普通交付税への負担が大きくなる。

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全文の構成

  1. 3ページ
    1. はじめに
  2. 4ページ
    2. 推計方法
    1. 4ページ
      2-1.推計の手順
    2. 5ページ
      2-2.阪神・淡路大震災における地方負担額の推計
    3. 6ページ
      2-3.首都直下地震における地方負担の推計
    4. 8ページ
      2-4.その他の指標の推計
  3. 10ページ
    3. 分析結果
    1. 10ページ
      3-1.震災関連事業の地方負担額
    2. 12ページ
      3-2.震災が税収及び普通交付税に及ぼす影響
    3. 14ページ
      3-3.推計結果の評価
    4. 15ページ
      3-4.分析の拡張
  4. 17ページ
    4. 結論
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