ESRI Discussion Paper Series No.247
世代間不均衡の研究II~将来世代の生年別の受益・負担構造の違い~

2010年09月
  • 増島 稔(内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官)
  • 田中 吾朗(内閣府経済社会総合研究所研究協力者)

要旨

マクロ経済と財政に一定の想定を置いて、これから生まれてくる将来世代の生年別の受益と負担、それと整合的な財政の姿を推計した。高齢化のピークの2070年以降、社会保障の財政負担は徐々に軽くなる。しかし、追加的に基礎的財政収支の改善努力を行わなければ、2070年にかけて基礎的財政収支の赤字が拡大し、その後も大幅な赤字が継続する。現在の債務や今後の財政赤字が大きいため、債務を安定化させ2200年までに解消するためには、2015年以降、基礎的財政収支をGDPの8%弱改善する必要がある。こうした長期的な視野に立った経済財政運営ができれば、0歳世代と将来世代あるいは将来世代の間の受益・負担の不均衡は小さなものにとどまる(2200年債務解消ケース)。2200年までに政府債務を解消するという予算制約を満たしていても、基礎的財政収支改善への取り組み方次第で将来世代の生年別の純負担(負担-受益)には大きな差が生じうる。早い時期に基礎的財政収支を改善すれば、将来世代の純負担を大幅に軽減できる(2100年債務解消ケース)。逆に、財政健全化を先送りすると、債務を安定化し削減していくために必要な基礎的財政収支の改善幅は大きくなり、将来世代に大きな負担を強いる。また、債務が長期間にわたって高止まりし、債務管理上の問題も大きい(健全化遅延ケース)。実際には不確実性が大きいため、近い将来の基礎的財政収支や債務残高対GDP比を中間目標として財政運営をせざるを得ない。その場合でも、政策運営に当たって、将来世代の間の受益・負担の不均衡への配慮が求められよう。

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  2. 2ページ
    要旨
  3. 4ページ
    はじめに
  4. 4ページ
    第1章 モデル
    1. 4ページ
      1.1 基本モデルの構造
    2. 5ページ
      1.2 モデルの拡張方法
  5. 7ページ
    第2章 試算結果
    1. 8ページ
      2.1 3つのシナリオ
    2. 8ページ
      2.2 2200年までの将来人口
    3. 9ページ
      2.3 基礎的財政収支の推移
    4. 10ページ
      2.4 一般政府の純資産/債務の推移
    5. 12ページ
      2.5 将来世代の生涯純負担
  6. 15ページ
    まとめ
  7. 16ページ
    【参考文献】
  8. 18ページ
    付表1 経済成長率・人口等の想定
  9. 19ページ
    付表2 生涯純負担(率)、将来・過去別
  10. 22ページ
    付表3 基礎的財政収支、財政収支および純債務残高
  11. 付録 本文で用いたモデルのデータベースおよびモデル資料等
    1. (ESRI Discussion Paper Series No.246, No.247共通)
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