ESRI Discussion Paper Series No.248
世代間不均衡の研究III~現存世代内の受益・負担構造の違い~

2010年9月
  • 増島 稔(内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官)
  • 島澤 諭(秋田大学教育文化学部准教授、内閣府経済社会総合研究所客員研究員)
  • 田中 吾朗(内閣府経済社会総合研究所研究協力者)
  • 杉下 昌弘(武蔵野税務署(前内閣府経済社会総合研究所研究官))
  • 山本 紘史(内閣府経済社会総合研究所行政実務研修員)
  • 高中 誠(内閣府経済社会総合研究所行政実務研修員)

要旨

政府を通じた個人の生涯にわたる受益と負担が、世代間のみならず、世代内の所得あるいは居住地の違いによってどの程度異なるのかを推計した。 現状を前提とすると、所得の高い階層や地域ほど生涯純負担の額やその所得比が高い傾向がある。0歳世代の生涯純負担を比較すると、所得階層間では額で5600万円弱、所得比で25%弱の差がある。また、地域間でも額で4400万円程度、所得比で18%程度の違いが見られる。財政の持続可能性を確保し世代間不均衡を解消するよう、2015年以降、増税によって一般政府の基礎的財政収支をGDPの8%程度改善するケースを考えた。所得税増税は累進的な傾向が見られる。消費税増税について考える際には、毎年のフローの所得に対する負担の割合だけでなく、ライフサイクルを通じた所得に対する負担の割合も考慮に入れる必要があることが示唆される。高齢化の水準やスピードには都道府県ごとに大きな違いが見られる。仮に、都道府県別の医療・介護給付総額の一定割合を都道府県内の保険料でまかなうようにすると、都市部に比べて高齢化比率(65歳以上人口/20~64歳人口)が高くその上昇幅も大きい地方の県ほど負担が上昇する傾向がある。社会資本からの受益は、所得の高い都市部に比べ所得の低い地方の県ほど大きい傾向が見られ、一定の所得再分配機能を持っている。しかし、その大きさは、税・社会保障による所得再分配機能に比べれば小さい。

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  2. 2ページ
    要旨
  3. 4ページ
    はじめに
  4. 4ページ
    第1章 モデル
    1. 4ページ
      1.1 全国モデルの構造
    2. 5ページ
      1.2 所得階層モデルの構造
    3. 6ページ
      1.3 都道府県モデルの構造
    4. 7ページ
      1.4 将来世代の負担
  5. 8ページ
    第2章 データセット
    1. 8ページ
      2.1 総務省「全国消費実態調査」に基づくデータ
    2. 8ページ
      2.2 国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」に基づくデータ
    3. 8ページ
      2.3 厚生労働省「概算医療費」に基づくデータ
  6. 13ページ
    第3章 試算結果
    1. 13ページ
      3.1 所得階層モデルの推計結果(基本ケース)
    2. 15ページ
      3.2 都道府県モデルの推計結果(基本ケース)
    3. 18ページ
      3.3 財政健全化のインパクト
    4. 22ページ
      3.4 高齢化に伴う医療・介護負担の増加が地域別の負担に与える影響
    5. 24ページ
      3.5 地域別に見た社会資本から受益
  7. 26ページ
    おわりに
  8. 27ページ
    【参考文献】
  9. 29ページ
    付表1 財政健全化のインパクト(0歳世代の純負担の増加)
  10. 30ページ
    付表2 医療・介護負担調整ケース
  11. 30ページ
    付表3 社会資本からの受益(0歳世代)
  12. 31ページ
    1. 31ページ
      (1-1)生涯純負担額(所得階層モデル:消費分位) 基本ケース
    2. 31ページ
      (1-2)生涯純負担率(所得階層モデル:消費分位) 基本ケース
    3. 32ページ
      (2-1)生涯純負担額(所得階層モデル:消費分位)財政健全化ケース(消費増税)
    4. 32ページ
      (2-2)生涯純負担率(所得階層モデル:消費分位)財政健全化ケース(消費増税)
    5. 33ページ
      (3-1)生涯純負担額(所得階層モデル:消費分位)財政健全化ケース(所得増税)
    6. 33ページ
      (3-2)生涯純負担率(所得階層モデル:消費分位)財政健全化ケース(所得増税)
    7. 34ページ
      (4-1)生涯純負担額(所得階層モデル:世帯分位) 基本ケース
    8. 34ページ
      (4-2)生涯純負担率(所得階層モデル:世帯分位) 基本ケース
    9. 35ページ
      (5-1)生涯純負担額(所得階層モデル:世帯分位)財政健全化ケース(消費増税)
    10. 35ページ
      (5-2)生涯純負担率(所得階層モデル:世帯分位)財政健全化ケース(消費増税)
    11. 36ページ
      (6-1)生涯純負担額(所得階層モデル:世帯分位)財政健全化ケース(所得増税)
    12. 36ページ
      (6-2)生涯純負担率(所得階層モデル:世帯分位)財政健全化ケース(所得増税)
    13. 37ページ
      (7-1)生涯純負担額(都道府県モデル) 基本ケース
    14. 38ページ
      (7-2)生涯純負担率(都道府県モデル) 基本ケース
    15. 39ページ
      (8-1)生涯純負担額(都道府県モデル) 財政健全化ケース(消費増税)
    16. 40ページ
      (8-2)生涯純負担率(都道府県モデル) 財政健全化ケース(消費増税)
    17. 41ページ
    18. 42ページ
      (9-2)生涯純負担率(都道府県モデル) 財政健全化ケース(所得増税)
    19. 43ページ
      (10-1)生涯純負担額(都道府県モデル) 医療・介護調整ケース(所得増税)
    20. 44ページ
      (10-2)生涯純負担率(都道府県モデル) 医療・介護調整ケース(所得増税)
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