ESRI Discussion Paper Series No.251
金利の期間構造モデルによる景気一致指数の予測
―アフィン型マクロ・ファイナンスモデルによる接近―

2010年10月
  • 市川 達夫(モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 債券統括本部 円貨債券市場部長、首都大学東京大学院社会科学研究科)
  • 飯星 博邦(首都大学東京大学院社会科学研究科教授)

要旨

本研究では、長短スプレッドが景気循環に対して約24ヶ月の先行した周期性をもつという特徴を利用して、アフィン型の金利の期間構造モデルによる景気一致指数の予測モデルの提案と評価をおこなう。そのために Ang, Piazzesi, and Wei (2006)のマクロ・ファイナンスモデルを改良し、これに Valle e Azevedo, Koopman and Rua (2006)が提案した位相偏移をもつ多変量バンドパスフィルターを取り込こんだ予測モデルを提案する。 Ang et al. (2006) の手法は VAR (1) モデルを利用した予測法であり短期の予測には適しているが長期の予測には適していない。これに対し本研究が提案する手法はマクロ経済変数がもつ周期性と変数間のサイクルのズレ(位相偏移)を利用した予測法を採用することで、1~2年先の長期予測には適している。日本における景気一致指数(月次データ)で検証した結果、12~24ヶ月先の長期予測では本研究で提案する予測モデルは、より一層の予測精度の向上が図れることが判明した。注目すべき点はOLS推定での一致指数の12~24ヶ月先の長期予測では長短金利差の係数は負になるがマクロ・ファイナンスモデルでは正になることである。

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  2. 1ページ
    概要
  3. 3ページ
    1 はじめに
  4. 8ページ
    2 アフィン型金利の期間構造モデル
    1. 8ページ
      2.1 債券価格とアフィン・プロセス
    2. 9ページ
      2.2 マクロ・ファイナンスモデル
    3. 10ページ
      2.3 アフィン型の金利の期間構造モデル
    4. 13ページ
      2.4 日本のエッセンシャリー・アフィン型金利の期間構造モデルの推定
  5. 15ページ
    3 マクロ・ファイナンス-VAR(1) 型予測モデル
    1. 15ページ
      3.1 Ang, Piazzesi andWei (2006) の予測モデル
    2. 16ページ
      3.2 日本の景気一致指数( 一致CI ) の応用
  6. 18ページ
    4 マクロ・ファイナンス-多変量バンドパス型予測モデル
    1. 18ページ
      4.1 多変量バンドパスフィルタ
    2. 21ページ
      4.2 多変量バンドパス型予測モデル
  7. 23ページ
    5 予測モデルの推定結果
    1. 23ページ
      5.1 各予測モデルによる推定値と決定係数の比較
    2. 25ページ
      5.2 マクロファイナンス予測モデルとOLS の外挿予測(out of sample forecast) の比較
  8. 26ページ
    6 結論
  9. 27ページ
    7 補論- 金利期間構造の推定法
  10. 29ページ
    8 参考文献
  11. 32ページ
  12. 33ページ
    表2. 長短金利差の景気一致指数に対する位相偏移
  13. 34ページ
    表3. マクロ・ファイナンスモデルとOLS の係数の比較
  14. 36ページ
    表4. マクロ・ファイナンスモデルと OLS の外挿予測 (out-of-sample-forecast) の比較
  15. 37ページ
    図1. 多変量バンドパスフィルタによる長短金利差と景気一致指数の推定結果
  16. 38ページ
    図2. イールドカーブと水準、勾配、曲率
  17. 38ページ
    図3. 金利の期間構造と期待仮説
  18. 39ページ
    図4. 日本のゼロクーポン国債のイールドと因子の時系列
  19. 40ページ
    図5. ゼロクーポン国債のアフィンモデルによる推定値
  20. 41ページ
    図6. ゼロクーポン国債の各イールドの実測値と推定値の比較
  21. 42ページ
    図7. 2変数の位相偏移と循環図の関係
  22. 43ページ
    図8. 景気一致指数と長短金利差のサイクルと位相偏移
  23. 44ページ
    図9. 3ヶ月先の一致CI 予測モデルの決定係数 R2
  24. 45ページ
    図10. 3ヶ月先の一致CI 予測モデルの係数βk(n) の推定結果
  25. 46ページ
    図11. 12ヶ月先の一致CI 予測モデルの決定係数 R2
  26. 47ページ
    図12. 12ヶ月先の一致CI 予測モデルの係数βk(n)の推定結果
  27. 48ページ
    図13. 24ヶ月先の一致CI 予測モデルの決定係数 R2
  28. 49ページ
    図14. 24ヶ月先の一致CI 予測モデルの係数βk(n)の推定結果
  29. 50ページ
    図15. マクロファイナンスモデルとOLS の外挿予測の比較
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