ESRI Discussion Paper Series No.255
子育て支援と世代間効用
-人口内生OLGモデルの視点から-

2010年12月
  • 小黒 一正(一橋大学経済研究所・准教授、経済産業研究所コンサルティングフェロー)
  • 島澤 諭(秋田大学・准教授、内閣府経済社会総合研究所客員研究員)
  • 高畑 純一郎(一橋大学大学院・経済学研究科博士課程)

要旨

本稿では、多世代の人口内生OLGモデルを構築し、子育て支援の拡充や年金給付の削減等が、現役世代および将来世代の効用に及ぼす影響を分析している。その結果、明らかになったことは、以下のとおりである。

まず、子育て支援拡充については、財政の持続可能性を考慮しない場合、将来世代の効用を最も改善するのは、公債を財源とする子育て支援拡充である。他方で、財政の持続可能性を考慮する場合、資本課税による子育て支援拡充が最も望ましく、次いで、消費税、賃金税の順となる。

また、財政再建が既定路線のケースでは、財政再建のみを行うよりも、子育て支援拡充とセットで財政再建を行う方が、将来世代の効用を改善させる。

なお、年金改革としては、年金給付の削減よりも、年金保険料の一部を消費税で賄う方式に転換する方が、将来世代の効用を改善させる。

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全文の構成

  1. 1ページ
    要旨
  2. 3ページ
    1 はじめに
  3. 5ページ
    2 簡易分析
  4. 9ページ
    3 モデルの説明
    1. 9ページ
      (1) 家計部門
    2. 10ページ
      (2) 企業部門
    3. 11ページ
      (3) 年金部門
    4. 11ページ
      (4) 政府部門
    5. 11ページ
      (5) 市場均衡
  5. 11ページ
    4 データ、パラメータおよびシミュレーションシナリオの説明
    1. 12ページ
      4.1 データとパラメータ
    2. 12ページ
      4.2 シナリオ
  6. 12ページ
    5 シミュレーション結果の考察
    1. 13ページ
      (1) 人口動態とマクロ経済変数の推移
    2. 14ページ
      (2) 財政変数
    3. 14ページ
      (3) 効用
  7. 15ページ
    6 まとめと今後の課題
  8. 17ページ
    References
  9. 19ページ
    表1 モデルのパラメータ
  10. 20ページ
    表2 基準シナリオの2007 年
  11. 21ページ
    表3 推計結果(マクロ経済の推移)(1)
  12. 22ページ
    表3 推計結果(マクロ経済の推移)(2)
  13. 23ページ
    表3 推計結果(マクロ経済の推移)(3)
  14. 24ページ
    図1 各世代の人口動態
  15. 25ページ
    図2 推計結果(将来世代の人口推移)
  16. 26ページ
    図3 推計結果(高齢化率の推移)
  17. 27ページ
    図4 推計結果(TFR の推移)
  18. 28ページ
    図5 推計結果(労働者一人あたり財政負担の推移)
  19. 29ページ
    図6 推計結果(各世代の効用)
  20. 30ページ
    [参考]試算結果(各世代の効用)(1)
  21. 31ページ
    [参考]試算結果(各世代の効用)(2)
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