ESRI Discussion Paper Series No.271
消費者政策と資源管理問題

2011年8月
  • 行本 雅(京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター研究員 (産官学連携))
  • 村上 佳世(東京都市大学総合研究所研究員)
  • 丸山 達也(京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター准教授)

要旨

本論文では、共有資源管理において生産者間の協調が失敗しており、政府の生産者に対する直接規制も機能していないような場合に、消費者に対して働きかける政策の有効性について検討する。このために、水産エコラベルを取り上げ、実験的な手法を取り入れたweb調査を用いてコンジョイント分析を行う。

主要な結論は、消費者に情報を伝えるときに、論理的な構造を理解できるようにすることで、ある程度長期的に消費者の選択行動に影響を与えることが可能である。すなわち、約1 ヶ月後に再度情報を伝えた上で選択行動を行うと、資源の枯渇に配慮してマグロの購入に当たって慎重になるとともにMSC ラベルに対して高い評価をするようになった。

したがって、資源問題において消費者に理解できるように情報を伝えると、単に自己の利得のみを追求するのではなく、ある程度将来世代などの他者に対して配慮した行動をするようになる。こうした人たちが十分に多ければ、MSC ラベルのような資源に配慮した生産者に対する認証制度によって、生産者に対して資源管理に配慮して協調するインセンティブを与えることが可能である。

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全文の構成

  1. 要旨
  2. 3ページ
    1.はじめに
    1. 3ページ
      1-1. 研究の背景と目的
    2. 5ページ
      1-2. 研究の設計と手法
  3. 6ページ
    2. コンジョイント分析の概要
  4. 8ページ
    3. アンケート調査
    1. 8ページ
      3-1. 調査の概要と設計
    2. 17ページ
      3-2. プロファイル設計
    3. 18ページ
      3-3. 変数の作成
  5. 22ページ
    4. 予備的な分析
    1. 22ページ
      4-1. MSCラベル
    2. 22ページ
      4-2. 正誤クイズ
    3. 24ページ
      4-3. 情報に対する態度
    4. 26ページ
      4-4. スキーマ
    5. 26ページ
      4-5. 小括
  6. 27ページ
    5. 推計結果
    1. 27ページ
      5-1. コンジョイント分析 (1回目)
    2. 29ページ
      5-2. コンジョイント分析 (2回目)
  7. 31ページ
    6. 結論と政策的含意
    1. 31ページ
      6-1.結論
    2. 32ページ
      6-2. 政策的含意
  8. 35ページ
    参考文献
  • 〒100-8914
    東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
  • 電話 03-5253-2111(代表)