本論文では、共有資源管理において生産者間の協調が失敗しており、政府の生産者に対する直接規制も機能していないような場合に、消費者に対して働きかける政策の有効性について検討する。このために、水産エコラベルを取り上げ、実験的な手法を取り入れたweb調査を用いてコンジョイント分析を行う。
主要な結論は、消費者に情報を伝えるときに、論理的な構造を理解できるようにすることで、ある程度長期的に消費者の選択行動に影響を与えることが可能である。すなわち、約1 ヶ月後に再度情報を伝えた上で選択行動を行うと、資源の枯渇に配慮してマグロの購入に当たって慎重になるとともにMSC ラベルに対して高い評価をするようになった。
したがって、資源問題において消費者に理解できるように情報を伝えると、単に自己の利得のみを追求するのではなく、ある程度将来世代などの他者に対して配慮した行動をするようになる。こうした人たちが十分に多ければ、MSC ラベルのような資源に配慮した生産者に対する認証制度によって、生産者に対して資源管理に配慮して協調するインセンティブを与えることが可能である。
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|---|---|
| 要旨 | |
| 1.はじめに | 3 |
| 1-1. 研究の背景と目的 | 3 |
| 1-2. 研究の設計と手法 | 5 |
| 2. コンジョイント分析の概要 | 6 |
| 3. アンケート調査 | 8 |
| 3-1. 調査の概要と設計 | 8 |
| 3-2. プロファイル設計 | 17 |
| 3-3. 変数の作成 | 18 |
| 4. 予備的な分析 | 22 |
| 4-1. MSCラベル | 22 |
| 4-2. 正誤クイズ | 22 |
| 4-3. 情報に対する態度 | 24 |
| 4-4. スキーマ | 26 |
| 4-5. 小括 | 26 |
| 5. 推計結果 | 27 |
| 5-1. コンジョイント分析 (1回目) | 27 |
| 5-2. コンジョイント分析 (2回目) | 29 |
| 6. 結論と政策的含意 | 31 |
| 6-1.結論 | 31 |
| 6-2. 政策的含意 | 32 |
| 参考文献 | 35 |