ESRI Discussion Paper Series No.296
未婚男性の結婚と家族形成に関する意識について
非正社員に焦点を当てた実証分析
~「未婚男性の結婚と仕事に関する意識調査」の個票を用いて~

2013年2月
  • 内野 淳子(内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)
  • 飯島 亜希(内閣府経済社会総合研究所研究官)
  • 高橋 智也(内閣府経済社会総合研究所行政実務研修員)

要旨

我が国では、未婚化の進展は少子化の大きな要因となっており、特に男性の未婚率の上昇が著しい。その背景には、非正社員の増大など、経済の長期的低迷に伴う雇用の不安定化や低所得化などがあると考えられる。経済社会総合研究所では、未婚男性、特に非正社員に焦点を当てて、結婚や家族形成に対する意識、仕事に対する意識、生活の状況、就労の状況がどのように関係しているかを客観的なデータに基づいて分析するため、意識調査を実施した。

本稿の第1部では、この意識調査について概説し、正社員・非正社員では、結婚に対する価値観に大きな違いは見られない一方で、非正社員は、将来に対する雇用状況や所得の不安が結婚に対して消極的にさせていることが伺えたことを紹介する。

第2部では、非正社員に焦点を当てて、就業状況の違いと結婚意欲の関係について、個票を用いた分析結果を報告する。分析の結果、次の3点が明らかになった。

  • 1)20代では、労働時間が短いと結婚意欲や子どもの希望が低い傾向にあるが、長期雇用を前提としない非正社員であってもフルタイムでは、結婚意欲や子どもの希望は正社員と変わらない傾向にあること。
  • 2)30代では、フルタイムであっても長期雇用を前提としていない雇用形態では結婚意欲や子どもの希望は正社員より低い傾向にあること。
  • 3)全年代を通じて、結婚したいと思っている非正社員や雇用不安を感じる者ほど正社員を希望する傾向が見られること。

これらの結果から、結婚したいと思っていても、正社員への希望がかなうのに時間がかかったり、非正社員でいるために結婚に踏み切れないでいたりすると、結婚するまでに時間を要し、晩婚化したり、結婚に消極的になったりする可能性が示唆されている。

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未婚男性の結婚と家族形成に関する意識について非正社員に焦点を当てた実証分析 別ウィンドウで開きます。(PDF形式 1.9 MB)

全文の構成

  1. 1ページ
    【要旨】
  2. 3ページ
    目次
  3. 4ページ
    第1部 「未婚男性の結婚と仕事に関する意識調査」について
  4. 4ページ
    1 調査の趣旨
  5. 6ページ
    2 調査について
    1. 6ページ
      2-1 主な調査内容
    2. 6ページ
      2-2 調査方法
    3. 6ページ
      2-3 回答状況
  6. 11ページ
    3 主な調査結果について
    1. 11ページ
      3-1 結婚や家族形成に関する意識
    2. 14ページ
      3-2 雇用状況と職業キャリアに関する意識
    3. 25ページ
      3-3 まとめ
  7. 26ページ
    第2部 個票データによる分析
  8. 26ページ
    1 はじめに
  9. 27ページ
    2 結婚意欲及び家族形成に対する意識
    1. 27ページ
      2-1 仮説、実証モデル及び変数
    2. 34ページ
      2-2 推計結果
  10. 49ページ
    3 正社員を希望する非正社員の傾向
    1. 49ページ
      3-1 実証モデル及び変数
    2. 52ページ
      3-2 推計結果
  11. 56ページ
    4 おわりに
  12. 58ページ
    参考文献
  13. 60ページ
    参考資料
  14. 61ページ
    1 主な調査結果(グラフ)
  15. 136ページ
    2 調査結果数表
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