ESRI Discussion Paper Series No.302
確率分布の予測評価とESPフォーキャスト調査への応用

2013年9月
  • 伴    金美大阪大学大学院経済学研究科教授
  • 河越 正明内閣府経済社会総合研究所特別研究員
  • 松岡 秀明日本経済研究センター副主任研究員

要旨

本稿は、ESPフォーキャスト調査が2008年6月以降蓄積してきた確率分布予測の個票を用いて、その評価を行うものである。本稿が用いる手法はProbability Integral Transform (PIT) とRanked Probability Score (RPS)である。まず、Berkowitz(2001)のテストを毎年6月に公表された個々の確率分布予測に適用したところ、2011、12年度の実質GDP成長率について独立性の仮説は棄却できなかった。また、2008~2011年度のCPI上昇率については帰無仮説は棄却されたものの、サンプルを予測パフォーマンスの優れた半数に絞ると帰無仮説は棄却できないことがわかった。この結果、個々の予測分布が、データの真の発生過程(ただしこれは観測されない)と同一であることについて部分的ではあるが支持された。次に、Kenny, Kostka, and Masera (2012)に倣って、(個々の確率分布予測の平均である)平均確率分布(MPD)と、個々の予測分布及び3つのベンチマーク(均一分布、正規分布、前期のMPD)と、RPSの計算値で成績を比較した。この結果、MPDは「優れた」分布であることがわかった。すなわち、ほとんどのケースでベンチマークよりも良い成績を収め、毎年約35人の予測者の中で約5位であった。予測者によって加えられた主観的な判断は、実質GDP成長率については成績を向上させているが、CPI上昇率についてはむしろ成績を悪くしている。

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全文の構成

  1. 1ページ
    Abstract
  2. 2ページ
    1. Introduction
    1. 2ページ
      Table 1 Record of Best 5
  3. 4ページ
    2. Methodology
    1. 4ページ
      2.1 PIT (Probability Integral Transform)
    2. 6ページ
      2.2 Scoring the Densities
  4. 8ページ
    3. Data
    1. 9ページ
      Figure 1 MPDs and Realised Values
    2. 10ページ
      Figure 2 Fan Charts
    3. 12ページ
      Figure 3 Number of Bins Used
    4. 12ページ
      Figure 4 Hitting Ratio of Density Forecast
  5. 13ページ
    4. Results
    1. 13ページ
      4.1 Independence Test
      1. 13ページ
        Table 2 Number of Failures by Period
      1. 14ページ
        Table 3 Estimation Results
    2. 14ページ
      4.2 Results of RPS calculations
      1. 16ページ
        Figure 5 Benchmark Density Forecasts
      1. 17ページ
        Table 4 Results of RPS Calculations
  6. 18ページ
    5. Conclusion
  7. 19ページ
    References
  8. 20ページ
    Appendix
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