ESRI Discussion Paper No.314
短期日本経済マクロ計量モデル(2015年版)の構造と乗数分析

2015年1月
浜田浩児
内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官
雅博
内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官
横山瑠璃子
前内閣府経済社会総合研究所景気統計部事務官
花垣貴司
内閣府経済社会総合研究所研究官
亀田泰佑
内閣府経済社会総合研究所研究官
岩本光一郎
内閣府経済社会総合研究所客員研究員

要旨

内閣府・経済社会総合研究所では、1998年の第一次版以来、「短期日本経済マクロ計量モデル」の開発・公表を続けている。本論文では、同モデルの2015年版(第9次モデル)の構造と乗数を紹介・解説している。

「短期日本経済マクロ計量モデル」は、伝統的なIS-LM-BP型のフレームワークを基本としつつ、モデルの長期的な特性を保証する共和分関係や誤差修正メカニズムなど、計量経済学の発展を取り入れた、推定パラメータ型中規模モデルである。そのパラメータには、2012年迄の四半期マクロ時系列データを用いて得られた推定値を活用している。

主な乗数分析の結果を紹介すると、公共投資(実質公的固定資本形成)が実質GDPに与える影響は、一年目に1.14程度となっている。所得減税は、その一部が貯蓄に回ってしまうことから、GDPの1%相当の施策でも、その影響は公共投資の場合に比べて小さくなる。短期金利の1%の引上げは実質GDPを0.32%程度引き下げる。

なお、本モデルは「価格調整を伴う開放ケインジアン型」として構築されており、そのモデルの体系では表現されていない中長期の生産性の変化などから生じる効果はシミュレーション結果には含まれていない点に留意する必要がある。

本文のダウンロード

短期日本経済マクロ計量モデル(2015年版)の構造と乗数分析別ウィンドウで開きます。(PDF形式 1.41 MB)

全文の構成

  1. 2ページ
    Abstract
  2. 3ページ
    目次
  3. 4ページ
    1. 短期日本経済マクロ計量モデル(2015 年版)の概要
    1. 4ページ
      1-1 モデルの基本的構造
      1. 4ページ
        (1) 財貨・サービス市場
      2. 5ページ
        (2) 労働市場
      3. 5ページ
        (3) 貨幣市場
      4. 5ページ
        (4) 外国為替市場
      5. 6ページ
        要約表(モデルの構造)
    2. 7ページ
      1-2 これまでの改訂作業の主なポイント
      1. 7ページ
        (短期日本経済マクロ計量モデルの作成)
      2. 7ページ
        (エラーコレクション型推計式の採用)
      3. 7ページ
        (フォワード・ルッキング・モデルの試み)
      4. 7ページ
        (連鎖系列データの採用)
      5. 7ページ
        (生産関数の変更)
    3. 8ページ
      1-3 今回の推計作業について
  4. 8ページ
    2. 主要乗数シミュレーションの結果
    1. 9ページ
      2-1 財政政策シミュレーション
      1. 9ページ
        2-1-1 実質公共投資の継続的拡大
      2. 10ページ
        2-1-2 名目公共投資の継続的拡大
      3. 11ページ
        2-1-3 個人所得税減税
      4. 11ページ
        2-1-4 法人所得税減税
      5. 12ページ
        2-1-5 消費税増税
    2. 13ページ
      2-2 金融政策シミュレーション
      1. 13ページ
        2-2-1 短期金利の引上げ
      2. 14ページ
        2-2-2 貨幣供給量の減少
    3. 15ページ
      2-3 外部環境の変化に関するシミュレーション
      1. 15ページ
        2-3-1 為替レートの減価
      2. 15ページ
        2-3-2 原油価格の上昇 貨幣供給量の減少
      3. 16ページ
        2-3-3 世界需要の増加
  5. 17ページ
    参考文献
  6. 18ページ
    内閣府経済社会総合研究所からこれまでに公表された日本モデル関連刊行物
  7. 20ページ
    補論:「短期日本経済マクロ計量モデル」の位置づけと役割
    1. 20ページ
      1.はじめに
    2. 20ページ
      2.マクロ計量モデル「批判」
    3. 21ページ
      3.DSGE モデル、VAR モデルの特徴とその限界
    4. 22ページ
      4.「短期日本経済マクロ計量モデル」の位置づけと役割
    5. 23ページ
      5.おわりに
    6. 24ページ
      参考文献
  8. 27ページ
    付属資料
    1. 28ページ
      (付属資料1) 乗数詳細表
    2. 52ページ
      (付属資料2) 短期日本経済マクロ計量モデルの変数名一覧
    3. 56ページ
      (付属資料3) 方程式体系
  • 〒100-8914
    東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
  • 電話 03-5253-2111(代表)