ESRI Discussion Paper No.315
定住外国人の子どもの学習時間の決定要因

2015年2月
中室牧子
慶應義塾大学総合政策学部准教授
石田賢示
東京大学社会科学研究所助教
竹中
Research Officer, Centre on Migration, Policy and Society, University of Oxford
友彦
学習院大学国際社会学部開設準備室教授

要旨

これまでの外国籍児童に関する分析は、いずれも一部外国人集住地域の調査客体を対象とした定性的な調査に基づいており、日本人と比べて、外国籍児童の教育達成が相対的に見て低いことの理由として、文化・慣習の違いなど、彼らが「外国人である」ことを理由として見出すものがおおかった。また、こうした分析は、比較的滞日年数が少ない外国人の子らを対象にしているが、近年、定住外国人が増加する中で、定住志向の強い外国人の子らが教育面でどのような問題を抱えているかを把握することも重要である。本研究では、文化や慣習の違いの代理変数である親の国籍以外にも、親の社会階層やネットワークなどが、日本人と日本で生まれ育った定住外国人の子どもらの小学校時点における学習資本形成に与える影響を明らかにするため、21世紀出生児縦断調査の個票データを用いた実証分析を行った。その結果、最小二乗法推計では、親の国籍をコントロールしてもなお、親のかかわりかたや社会ネットワークが子どもの学習資本形成に影響していることが明らかになったが、時間を通じて一定の観察不可能な要因をコントロールするため、固定効果推計を行うと、親のかかわりかたや社会ネットワークは統計的には有意でなくなり、学校外教育など家庭の外での教育資源へのアクセスが子どもの学習資本形成に影響していることが明らかになった。

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全文の構成

  1. 1ページ
    要旨
  2. 2ページ
    Abstract
  3. 3ページ
    1.はじめに
  4. 4ページ
    2. 移民第二世代の教育「問題」
  5. 6ページ
    3. 教育達成過程に影響を与える要因
  6. 7ページ
    4. 分析のフレームワーク
  7. 7ページ
    5. データ
  8. 10ページ
    6. 推計結果
  9. 12ページ
    7.結論
  10. 13ページ
    参考文献
  11. 16ページ
    表1:外国人の子ども(父母の国籍別)
  12. 17ページ
    表2:質問項目の連続性
  13. 18ページ
    表3:平均値の差の検定
  14. 20ページ
    表5:推計結果(最小二乗法)
  15. 21ページ
    表6:推計結果(固定効果モデル)
  16. 22ページ
    図1:主要な変数の時系列的推移
  17. 23ページ
    付表1:21 世紀出生児縦断調査の回収状況
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