ESRI Discussion Paper No.316
イノベーティブ基盤強化のためのコモンズ化による知的財産の利用促進に関する研究

2015年2月
村田貴司
内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官
古西
内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官
北岡美智代
内閣府経済社会総合研究所研究官

要旨

イノベーションは、今後の国際的な競争力確保、社会の安定的な維持、発展に不可欠である。このため、イノベーションが起きやすい社会的、経済的環境、すなわちイノベーティブ基盤を創出することは、国の重要な政策の一つである。近時の情報コミュニケーション技術に支えられたネットワークの爆発的な進展は、情報流通速度の増大をもたらすのみならず、形成されたネットワークを通じ、さまざまなアイディアの交流と新たなアイディアの創生のありかたに大きな変化を与えている。研究開発活動の成果として生み出された膨大なアイディア・知識等は、この変化に対応しながら、さらに新しいイノベーション創生のために柔軟に活用される必要がある。

しかし、一つのアイディア・知識等だけでイノベーションが起ることは少なく、イノベーションはさまざまなアイディア・知識等の交流の上にさらに生まれる新たなアイディアをまって初めて展開する。権利化を踏まえた知的財産のコモンズ化は、知的財産の交流を促進し、今後のイノベーション推進の有力な環境を構築することにつながる。

本稿では、この認識を踏まえ、イノベーションのさらなる持続的展開に向け、知的財産のコモンズ化の重要性を指摘するとともに、継続的にイノベーションを起こすことができる環境を構築する観点から、コモンズの思想を取り入れた方策につき展望した。

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全文の構成

  1. 1ページ
    要旨
  2. 2ページ
    Abstract
  3. 3ページ
    1.はじめに
  4. 4ページ
    2. イノベーションにつながる新たなアイディア・知識等はどこからくるか?
    1. 5ページ
      図1 フェイスブックユーザーの推移
  5. 6ページ
    3. R&D 活動の成果としてのアイディア・知識等への自由なアクセスと利用
    1. 7ページ
      3.1 アイディア・知識等へのアクセス
    2. 8ページ
      3.2 アイディア・知識等の利用
  6. 9ページ
    4.イノベーション環境の変化-DIY 時代の交流型イノベーション
    1. 10ページ
      4.1 初音ミク現象
      1. 11ページ
        表1 初音ミク・エンドユーザー使用許諾契約の要点
    2. 12ページ
      4.2 オープンイノベーション
    3. 13ページ
      4.3 3D プリンターの普及
  7. 14ページ
    5.知的財産のコモンズ化による利用促進
    1. 15ページ
      5.1 コモンズの思想
      1. 17ページ
        表2 トロン系OS の利用例
    2. 18ページ
      5.2 方法論としてのクリエイティブ・コモンズ・ライセンス
      1. 18ページ
        表3 CC ライセンスの要素
      2. 19ページ
        図2 CCライセンスの種類と組み合わせ
      3. 20ページ
        表4 CC ライセンスの活用事例
  8. 22ページ
    6. 展望
    1. 23ページ
      6.1 コモンズ化に向けたさらなる検討
    2. 25ページ
      6.2 公的資金を原資とする公的な基礎的、基盤的研究等から生まれる知的財産
    3. 27ページ
      6.3 研究開発型の独立行政法人等の評価への考慮
      1. 28ページ
        図3 国内外の大学等・公的研究機関から導入した技術知識が企業活動で役立った段階
  9. 30ページ
    7.おわりに
  10. 31ページ
    8.謝辞
  11. 32ページ
    参考文献
  12. 35ページ
    Appendix
    1. 36ページ
      1. フューチャーセンター活動の事例
      1. 36ページ
        表A1 チューチャーセンター活動事例
    2. 38ページ
      2. ファブラボ
      1. 38ページ
        表A2 わが国で活動しているファブラボ(2014 年11 月現在)
    3. 39ページ
      3. QR コードの開発と展開
    4. 40ページ
      4. CCライセンスの利用
      1. 40ページ
        1.CCライセンス全般
        1. 40ページ
          図A1 CCライセンスの利用状況推移
        2. 41ページ
          表A3 各種ライセンスの分布
      2. 41ページ
        2. ユーロピアーナ(Europeana) におけるCC ライセンス利用
        1. 42ページ
          表A4 ユーロピアーナに登録されているコンテンツ件数の拡大
        2. 42ページ
          図A2 ユーロピアーナにおけるコンテンツの権利主張分類の推移
      3. 42ページ
        3.ハイヴ(HIVE)におけるCCライセンス利用
    5. 44ページ
      5. 独立行政法人の知的財産に関するデータ
      1. 44ページ
        図A3 知的財産権による収入の内訳及びその割合
      2. 44ページ
        図A4 法人別知財について、収入合計及びその管理維持費用(万円)(22法人・知財収入合計額順 )
      3. 44ページ
        図A5 法人別知財収入÷知財管理維持費用(20法人・値順 )
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