ESRI Discussion Paper No.319
企業R&D資本の減耗率についての実証研究

2015年3月
外木暁幸
内閣府経済社会総合研究所客員研究員、一橋大学経済研究所特任講師
北岡美智代
内閣府経済社会総合研究所研究官
Wendy C. Y. Li
アメリカ合衆国商務省経済分析局リサーチエコノミスト

要旨

日本では、2016年より国民経済計算に新しいSNA基準である2008SNAの実施が計画されている。2008SNAの実施による最も重要な変更点は研究開発(R&D)が固定資本形成として計上され、また、その蓄積が資本ストックとして計上されることである。R&D資本ストックの計測は恒久棚卸法を用いて行われるため、R&D資本の減耗率をどのように推定するかが極めて重要な論点となる。R&D資本減耗率の計測の方法については、OECDの『Intellectual Property Products Handbook』において幾つかの方法が提案されているが、この研究では米国NIPAにおける企業R&D資本減耗率の推計のベースとなったLi (2012)のモデルと手法をベースに日本の企業R&Dの資本減耗率推計の研究を行う。推計に用いるモデルでは、いくつかの仮定の下で企業がR&Dの将来の売上への貢献度を予測しながら、最適なR&Dの投資額を決定する。データについては日本の20産業についてのR&D支出及び産出を用いる。推計の結果、先行研究との間で大きな矛盾のないR&D資本減耗率が推計されている。また、それらの推計結果はMiyagawa et al. (2014)のアンケートによるR&D資本減耗率の結果とも一定の整合性がみられる。

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全文の構成

  1. 1ページ
    Abstract
  2. 2ページ
    1. Introduction
  3. 3ページ
    2. The Model of Firm Implementing Forward-Looking R&D Investment
  4. 4ページ
    3. Data
    1. 6ページ
      Table 1: Industry-wise Classification of Sales and R&D Data
    2. 7ページ
      Table 2: Summary of Industry-level Sales Data
    3. 7ページ
      Table 3: Summary of Industry-level R&D Investment Data
    4. 8ページ
      Table 4: Summary of R&D Intensity
  5. 8ページ
    4. Empirical Analysis
    1. 9ページ
      Figure 1: R&D Investment and Second-order Time Trend
    2. 11ページ
      Table 5: Estimated Values of R&D Depreciation Rates (Perfect Foresight)
    3. 12ページ
      Table 6: Estimated Values of R&D Depreciation Rates (Stochastic Simulation)
    4. 13ページ
      Table 7: Comparison of Estimated R&D Depreciation Rate and Inverse of Surveyed Duration
  6. 13ページ
    5. Conclusion
  7. 15ページ
    Reference
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  • 電話 03-5253-2111(代表)