ESRI Discussion Paper No.327
災害リスク情報と不動産市場のヘドニック分析

2016年2月
佐藤慶一
専修大学ネットワーク情報学部准教授
松浦広明
松蔭大学副学長
田中陽三
内閣府経済社会総合研究所研究官
永松伸吾
関西大学社会安全学部・大学院社会安全研究科教授
大井昌弘
国立研究開発法人防災科学技術研究所社会防災システム研究領域
災害リスク研究ユニット主任研究員
大原美保
国立研究開発法人土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター
水災害研究グループ主任研究員
廣井
名古屋大学減災連携研究センター准教授

要旨

本稿では、日本全国の公示地価、宅地取引価格、家賃の三つの不動産市場データと、地震動超過確率、床上浸水確率、土砂災害確率の三つの災害リスク情報を収集・整理して、ヘドニック分析による実証分析を行った。データの地点情報の制約により、市区町村単位に集計した災害リスク情報を用いて分析した場合、地震動超過確率については、三つの不動産データのいずれにおいても災害リスクが高い地点で不動産価格が高いという関係性が見られた。計測地点の住所情報が把握できる公示地価データと250mメッシュ単位の災害リスク情報を用いて分析した場合、地震動超過確率や床上浸水確率と公示地価に統計的に有意な関係性は見られなくなった。さらに、それぞれ50%以上のダミー変数を説明変数とした場合、公示地価が低くなる傾向が見出され、不動産市場との関係において災害リスク情報に高い閾値があることが示唆された。これらの災害リスク情報を人々がどのように解釈し居住選択等を行っているのかを把握するためには、更なる研究が必要である。

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  1. 1ページ
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  2. 2ページ
    目次
  3. 3ページ
    1. はじめに
  4. 4ページ
    2. 災害リスク評価とその応用
    1. 4ページ
      2.1 災害リスク評価研究の対象
    2. 4ページ
      2.2 災害リスクの構成要素
    3. 5ページ
      2.3 ヘドニック分析と災害リスク情報
      1. 5ページ
        2.3.1 ヘドニック分析の概要
      2. 6ページ
        2.3.2 関連する先行研究
  5. 7ページ
    3. 公開データの収集・整理
    1. 7ページ
      3.1 災害リスク情報
      1. 7ページ
        3.1.1 地震(Hazard)情報
      2. 9ページ
        3.1.2 水害(Hazard)情報
        1. 10ページ
          表1 水害に関するハザードマップを公表している市町村の状況
      3. 11ページ
        3.1.3 土砂災害(Hazard)情報
      4. 11ページ
        3.1.4 暴露(Exposure)、脆弱性(Vulnerability)情報
        1. 12ページ
          表2 災害リスク情報の一覧
    2. 13ページ
      3.2 不動産市場データ
      1. 13ページ
        表 3 不動産市場データ一覧
    3. 13ページ
      3.3 市区町村単位の災害リスク情報の生成
  6. 14ページ
    4. 災害リスク情報と不動産市場のヘドニック分析
    1. 14ページ
      4.1 市区町村単位の災害リスク情報を用いた分析
      1. 14ページ
        図 1 市区町村単位のHazard情報と不動産市場の散布図
      2. 16ページ
        表 4 記述統計量1
      3. 17ページ
        表 5 記述統計量2
      4. 18ページ
        表 6 Hazard情報(市区町村単位)と不動産市場データを用いた分析結果
    2. 19ページ
      4.2 メッシュ単位の災害リスク情報を用いた分析
      1. 19ページ
        4.2.1 Hazard情報の集計単位について
        1. 19ページ
          図2 集計単位によるHazard情報の違い
        2. 19ページ
          図3 メッシュ単位のHazard情報と公示地価の散布図
      2. 20ページ
        4.2.2 メッシュ単位のHazard情報と公示地価のヘドニック分析
        1. 21ページ
          表7 記述統計量
        2. 22ページ
          表8 メッシュ単位データの分析
      3. 22ページ
        4.2.3 脆弱性や暴露量との交互作用について
        1. 23ページ
          表9 脆弱性や暴露量との交互作用の検討
      4. 23ページ
        4.2.4 分析結果の頑健性について
        1. 24ページ
          1 高Hazard情報ダミー変数の閾値
          1. 25ページ
            図4 地震動超過確率、床上浸水確率の公示地価への効果(10%刻み)
          2. 26ページ
            表10 地震動超過確率ダミー、床上浸水確率ダミーの閾値に対する頑健性
        2. 27ページ
          2 公示地価の計測地点固定効果のコントロール
          1. 28ページ
            表11 2011年の公示地価及び2010年の地震動超過確率を用いた階差方程式による分析
  7. 28ページ
    5. まとめ
    1. 28ページ
      5.1 結論と考察
    2. 30ページ
      5.2 今後の課題
  8. 31ページ
    謝辞
  9. 32ページ
    参考文献別ウィンドウで開きます。(PDF形式 1.31 MB)
  10. 35ページ
    参考資料
    1. 35ページ
      1. 洪水に対する脆弱性の推計方法
      1. 35ページ
        (1)住宅の床面積の計算方法について
      2. 36ページ
        (2)非住宅の床面積の計算方法について
    2. 36ページ
      2. 地震出火リスク情報の検討
      1. 38ページ
        表12 様々なタイプの地震火災の出火率
      2. 39ページ
        表13 一般化線形混合モデル(GLMM)の推定パラメータ
      3. 40ページ
        図5 30年以内の地震火災発生件数の期待値(2次メッシュ内、ただし東日本大震災と同じ季節、時刻に地震が発生すると仮定したケース)
      4. 41ページ
        図6 30年以内に1件でも地震火災が発生する確率(2次メッシュ内、ただし東日本大震災と同じ季節、時刻に地震が発生すると仮定したケース)
      5. 41ページ
        図7 30年以内の地震出火曝露人口(2次メッシュ内、ただし東日本大震災と同じ季節、時刻に地震が発生すると仮定したケース)
      6. 42ページ
        表14 3種類の地震出火リスク指標のトップ20
      7. 42ページ
        図8 地価と容積率・標高
      8. 43ページ
        表15 ヘドニック分析の結果
      9. 43ページ
        図9 容積率(横軸)、標高(縦軸)の関係
      10. 44ページ
        表16 地震出火リスク情報と公示地価の関係
    3. 45ページ
      3. 復元力(Resilience)の検討:社会関係資本の役割
    4. 46ページ
      4. 災害リスク情報と不動産市場の分布図、散布図
      1. 46ページ
        地震、床上浸水、土砂災害確率の分布図
      2. 47ページ
        地震、床上浸水、土砂災害確率と公示地価の対数値との散布図
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