構造改革のための税制改革
慶應義塾大学商学部
跡田直澄
<税制改革の理念>
- シャウプ勧告以来の、包括的かつ抜本的な税制改革を行う
- 広く、薄く、簡素な税制を構築する
- グローバル化のなかで日本経済の競争力強化に向け大胆な税制改革を行う
- すべての人が参画し、負担しあう公正な社会をつくる
- 国・地方の歳出をさらに徹底的に見直し、税負担に報いる小さな政府を実現する
<いま、なぜ税制改革か>
- 日本経済の現状と税制改革
- 日本経済の国際競争力は急速に低下しつつある。知を生かした「質の高い成長」の実現を目指す
- 企業中心の画一的なライフスタイルに対応して、税制もまた画一的な家族像やライフスタイルを前提。多様な価値観、家族像、ライフスタイルを包容する税制にすべき
- 財政面では未だ地方分権を支える基盤は整っていない。自治体が自らの責任で効率的な財政運営を行えるようにする
- 多くの人々が将来に不安を抱いている。政府サービスの効率化と、財政基盤の確立、そして安定的な社会保障制度の構築によって、将来に安心感をもてる社会を創る
- 現行税制がもたらす歪み
- 経済活力の減殺
- 企業や個人の選択に与える歪み
- 様々な不公平
- 過度の複雑さ
- 課税ベースの浸食
- 租税回避行動への誘因
- 租税への信頼感の低下
- 歳出要求の肥大化や納税者意識の低下
<どんな税制をめざすか>
- 持続的経済成長の実現のため
- “広く薄く簡素に”
- 国際競争を明確に意識
- 研究開発投資やIT投資を促進
- 多様なライフスタイルのために
- 就労などの選択に歪みを与えない税制
- 相続と生前贈与の選択に歪みを与えない税制
- 寄付やNPO法人、公益法人に対する税制を見直す
- 長期にわたる安心の確保のために
- 安定的な歳入構造を作る
- 社会保障制度を抜本的に見直し、長期に持続可能なものにする
- 公共事業の長期計画における重点化を行い、特定財源制度を見直す
- 地方の自立と活力のために
- 地方歳出を徹底して見直す
- 歳出に対する国の関与を最小限にとどめ、補助金を大胆に整理する
- 地方交付税制度を根本から検討する
- 納得できる税制のために
- IT化に対応した申告・徴収をすすめる
- 納税者ID制度を導入する
- より信頼できる徴税と納税の環境を整える