2002年6月11日

「論」からではなく「学」からみた

公的金融のあり方


東京大学大学院経済学研究科
神野直彦

1. 公的金融への財政学的アプローチ
 
・ 金融「論」からではなく、財政「学」からみた公的金融
・ 「借手としての政府」と「貸手としての政府」
・ 財政債務と行政債務
 
2. 補助金としての国家信用供与
 
・ 財政「学」から政策金融を定義:ハンスマイヤー(K.H.Hansmeyer)によれば、「補助金としての国家信用供与」となる
・ 恐慌救済から始まり、第2次大戦後には対外援助資金とともに拡大
 
3. 経費支出としての政策金融
 
・ 現物給付、現金給付、政策金融(補助金 + 民間金融)
・ 租税優遇措置、補助金、政策金融
 
4. 政策金融の財政「学」的特色
 
・ 租税資金の節約による大規模資金の供給
・ 議会統制が可能だが、行政裁量が大きくなる。租税特別措置は議会統制は不可能だが、行政裁量は小さい
・ 租税特別措置から政策金融へ
−租税特別措置では不況下には効果がない−
 
5. 政策金融の矛盾
 
・ 「借手としての政府」のコスト高―コスト・ゼロの資金の減少
・ 「貸手としての政府」の補助金的性格の高まり←経済政策目的から社会政策目的に
 
6. 政策金融の補助金的機能の強化
 
・ 市場原理から民主的統制に
・ 一般会計化するか、租税資金を節約するかの選択
・ 産業構造政策目的、地域政策目的、社会政策目的
・ 民主主義的統制措置導入の二つの道
−ボトムアップとトップダウン