研究会報告書等 No.9
地方における男女共同参画施策の方向に関する基礎調査(概要)平成15年度内閣府経済社会総合研究所委託調査

2004年1月
  • 財団法人関西情報・産業活性化センター

1.調査の目的

男女共同参画社会の形成の促進に当っては、国の取り組みはもとより、住民に近い地方公共団体が、地域の特性に応じて的確な取組を立案・実施することが重要である。しかし市町村における男女共同参画計画の策定率は23.4%に過ぎず、市町村レベルにおける取組が必ずしも進んでいない状況にある。また、地方公共団体ではこれまで以上に地域の特性を把握し、地域住民の理解を得つつ計画の策定を始めとする施策を立案・実施することが重要になっている。

本調査は、地方公共団体の現状を踏まえ、地域における男女共同参画の推進状況や問題点及び特色的な事例などを調査・分析し、この結果を基に、特に市町村が地域の実情を踏まえた施策を立案する際に参考となる地方における男女共同参画施策の方向性を示すことを目的として実施した。

2.調査の内容及び実施方法

 男女共同参画計画を策定している市町村に対して、策定の契機、住民ニーズの把握、計画の内容、推進体制等についてアンケート調査を実施した。アンケート調査実施に際しては内閣府男女共同参画局の協力を得た。

  • 調査対象 885団体(平成15年4月1日現在で計画を策定している市町村。政令市は除く。)
  • 回収数  760団体(回収率85.9%)
  • 調査期間 平成15年9月25日~10月31日

 委員会を設置し(座長:山内直人大阪大学教授、委員名簿は(参考)参照)、アンケート調査を分析するとともに、委員から紹介があった各地域での先進的、あるいは特徴的事例を分析し、地方における男女共同参画施策の方向について取りまとめた。

3.調査結果の概要

(1)男女共同参画計画策定に係る問題点と解決策

 アンケート調査から得られた計画策定に係る問題点を整理すると以下の通りである。

  1. 1) 先例のない多分野にわたる計画のため対応できる人材やノウハウの蓄積がない
  2. 2) 小規模な自治体では、人員的に余力がない(兼務職員も多い)
  3. 3) 業務分野がまたがるため庁内の体制づくりが困難
  4. 4) 男女共同参画への関心(意識)が低い(首長、議員、職員、住民)
  5. 5) 計画策定に関する参考情報の不足
  6. 6) 独自性・地域特性の出し方

 各地域における事例から見る問題点の解決策を整理すると以下の通りである。

  1. 1) 都道府県との連携(市町村への支援スキームの確立)
  2. 2) 地道な研究・啓発活動(長期的なスタンス)
  3. 3) 地元活動グループの支援

(2)期待される地域における男女共同参画の取組

 地域の特性を計画に活かすことは計画の実効性を高める意味で重要である。今回の調査における事例から、この視点からの計画策定の取り組み方として以下のキーワードを挙げる。

1) 身の丈にあった無理のない計画づくり

市町村自らが、各々の自治体の実情と地域特性とを十分把握し計画を策定することが重要。このような計画により、地域に見合った「男女共同参画社会の実現」が可能となる。

2) 地域の牽引役・先導役をサポート

地方公共団体は、地域に根ざした団体や大学といった地域の牽引役・先導役との協力体制を整えることが重要。そのような地域のキーパーソンと活動を共にすることで、男女共同参画社会を推進するための様々な活動が円滑に進むこととなる。

3) 住民との意見・情報交換

住民との意見・情報交換は、計画策定ひいてはその後の具体的施策の実施においても大きな影響をもたらすものであり、様々なツールを利用した住民意識の把握が必要である。

(3)男女共同参画社会実現の方向性

 地域特性を活かした計画づくりを推進することが計画策定のGood Practiceである。その観点から取り組むべき方向を示すと以下の通りである。

  1. 1) 首長の意識改革
  2. 2) 担当職員の意識改革と資質向上
  3. 3) 都道府県による長期的視野に立った支援策と連携強化
  4. 4) 住民の意識向上
  5. 5) 住民とのパートナーシップの構築
  6. 6) ポジティブアクション(積極的改善措置)の推進
  7. 7) インセンティブ施策の導入
  8. 8) 計画推進をチェック・評価する仕組みづくり

(参考)

委員会名簿
主  査:大阪大学大学院国際公共政策研究科教授山内 直人
副主査:大阪女子大学人文社会学部助教授木村 涼子
委  員:仙台都市総合研究機構
(東北・北関東ブロック)
企画調査部主任研究員竹村 弘子
 財団法人山梨総合研究所
(中部ブロック)
 研究員荻原 宗
 財団法人堺都市政策研究所
(近畿ブロック)
 主任研究員森田 猛
 株式会社若竹まちづくり研究所
(中国・四国ブロック)
  西村 憲一
 財団法人九州経済調査協会
(九州・沖縄ブロック)
調査研究部研究主査平田 エマ
オブザーバー:内閣府男女共同参画局 総務課長山崎日出男
 内閣府男女共同参画局 男女共同参画推進官高安 雄一
 内閣府経済社会総合研究所総務部総務課課長補佐日下部英紀
 内閣府経済社会総合研究所総務部総務課 宮代 英和
 総合研究開発機構 研究開発部長西崎 文平
 地方シンクタンク協議会 事務局長藤田 昌弘
事務局:財団法人関西情報・産業活性化センター 調査事業部部長深野 二郎
 財団法人関西情報・産業活性化センター 調査事業部担当部長太田 智子
 財団法人関西情報・産業活性化センター 調査事業部研究員渡辺 智子
 財団法人関西情報・産業活性化センター 調査事業部研究員高市 英司
 財団法人関西情報・産業活性化センター 調査事業部研究員石橋 裕基
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