研究会報告書等 No.11
スウェーデンの家族と少子化対策への含意
-スウェーデン家庭生活調査から-


主なポイント

1. 高い女性労働力率と出生率の要因

  • 高い出産期女性の労働力率(84.3%)と高い合計特殊出生率(1.65)
  • 充実した育児休業制度
    • 休業直前の8割の所得を1年半にわたり保障(両親保険)。2年半以内に次の子供を生んだ場合も保障される(スピードプレミアム)
    • 女性は7割以上が1年以上の育児休業を取得
    • 労働時間の短縮も可能
  • 少ない残業と短い通勤時間により男女とも多くは午後6時前に帰宅
  • 両親保険、児童手当等家族政策に係る財政支出は対GDP比3.31%

2. サムボ(事実婚、同棲)制度

  • 法律婚の9割はサムボを経て結婚
  • ステップファミリーは全体の2割
  • サムボ法によりサムボを制度化。財産分与や養育権等を規定
  • 離婚あるいはサムボ解消後も、父親に子の養育費の負担義務あり

要旨

I. 少子化関係ポイント

スウェーデンでは、出産期の女性の労働力率は84.3%と高い一方(日本は66.6%)、出生率も日本よりも高い水準(2002年スウェーデン1.65、日本1.32)。

特徴:

(1)高負担だが手厚いサービス=子どもにかかる費用を社会全体で負担する社会

(2)充実した育児休業制度と保育サービスで、仕事と家庭の両立が可能。(図表5)

図表5 年齢別女子労働力率:スウェーデンと日本

具体的には:

(1)充実した育児休業制度

(イ)「両親保険」によって、休業直前の8割の所得を390労働日(=毎日休業したとして1年半に相当)にわたり保障。

(ロ)2年半以内に次の子を産むと、先の子の出産の休業直前の所得の8割が、育児休業中に再び保障される(=スピードプレミアム)。

(ハ)子を産んだ7割以上の女性が1年以上の育児休業を取得。(図表3-1)

図表3-1 女性の休業取得日数(労働日):スウェーデン

(2)利用者負担が小さく、充実した保育サービス

(3)勤務時間短縮制度と早い帰宅

(イ)少ない残業(ほとんどが所定内労働時間)、短い通勤時間(日本の約半分)、育児休業制度などによる時間短縮労働などにより、男女ともほとんどが午後6時前に帰宅。

(4)財源

(イ)両親保険の財源は、事業主が支払う社会保険拠出(両親保険料率は支払い給与の2.20%)。

(ロ)他の先進国と比べても高い家族給付(対GDP比3.31%(日本は0.47%))。(図表10)

図表10 社会保障給付費対GDP比の国際比較(1998年、%)

II. 家族関係ポイント

  • サムボ(事実婚、同棲)制度はいわば結婚の試行期間として普及。
  • サムボ法によって、サムボカップルの財産分与、養育権等を規定。

特徴:

  • 法律婚カップルでも、9割はサムボを経て結婚。(図表12)
  • サムボカップルの子どもが特段の不利益を被らないよう法的措置。
  • ステップファミリー(連れ子のいる家族)は約2割。(図表15)
図表12法律婚カップル、サムボカップルの割合
図表15カップル形態:スウェーデン

具体的には:

(1)サムボとは

  • (イ)登録している住所を同じくし、継続して共同生活を営み、性的関係をもつカップル。
  • (ロ)サムボカップルの子と、法律婚カップルの子とで法律上の差別はない。
  • (ハ)サムボ法によりサムボを制度化。財産分与や養育権等を規定。

(2)サムボと法律婚の違い

  • (イ)サンボ解消時に財産分割の対象となるのは、住居と家財のみ。その他の財産(金融資産、車など)は分割の対象外(法律婚では、婚姻後に得た財産は全て共有財産)。
  • (ロ)死別時に相続の対象となるのは、共有手続きをとらない限り住居・家財・一定額以下の金融資産のみ。
  • (ハ)サムボ解消後、手続きをとらない限り、子どもの養育権は母親が自動的に単独で獲得(法律婚では、共同養育権)。

(3)ステップファミリー

  • (イ)ステップファミリー(連れ子のいる家族)は約2割。

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