研究会報告書等 No.13
経済教育に関する研究会中間報告書 概要

平成17年6月

1.経済教育とは何か。

・なぜ経済教育が必要か?

1.経済教育とは何か。

・経済教育の3つの目的

(1) 合理的な意思決定を行う個人の育成

個人のレベルでの合理的意思決定に直結する経済的な見方や考え方を育成。

(2) 実際の経済社会に対する深い理解

経済的な見方や考え方を前提に実際の経済社会(家計、企業、政府、労働、金融等)を生活実感に基づいて理解。

(3) 政策的課題の検討・解決

国家や地方政府が直面する具体的な政策課題について、経済的な見方や考え方、制度に対する知識を元に自分で解決法を考える能力を習得。

2.日本の経済教育の現状

・学習指導要領には基本的な経済概念の教授についても記載。

【例;中学校学習指導要領(公民科)】

(2) 国民生活と経済

ア 私たちの生活と経済

身近な消費生活を中心に経済活動の意義を理解させるとともに,価格の働きに着目させて市場経済の基本的な考え方について理解させる。また,現代の生産の仕組みのあらましや金融の働きについて理解させるとともに,社会における企業の役割と社会的責任について考えさせる。(略)

イ 国民生活と福祉

国民生活と福祉の向上を図るために,国や地方公共団体が果たしている経済的な役割について考えさせる。その際,社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,社会保障の充実,消費者の保護,租税の意義と役割及び国民の納税の義務について理解させるとともに,限られた財源の配分という観点から財政について考えさせる

・教育現場では単に経済制度の知識を教授することに力点

・経済学的な概念については必ずしも十分教えられていない。

先生;授業時間数が足りない。教育の情報や研究の機会が十分ない。

生徒;経済は難しい大人の世界の話。

(参考1)日米経済教育の対比
国名米国日本
内容経済概念・経済的価値経済的事実と経済的制度
方法活動座学による講義(調べる)
カリキュラム原理的知識のスパイラルな構成原理的知識のスパイラルな構成
構成演繹的帰納的
キーワード意思決定知識の習得

(注)こうした対比は、現実を過度に単純化しているきらいがあり、米国NCEEが推奨する積極肯定的な「経済教育原理」と日本の現場サイドに見られる消極的側面の傾向を大胆に取り上げた面もあることは留意する必要がある。

3.米国における経済教育の実態

  • (1) 全米経済教育協議会(NCEE)、JUMP$TART、JA(ジュニアアチーブメント)などの民間団体の積極的活動
  • (2) 大学や経済学者と連携し、経済学の概念を盛り込んだ「スタンダード」の策定や多様な教材の作成・頒布などを実施。
  • (3) アクティビティやロールプレイといった手法も教育現場にある程度普及。
  • (4) 米国経済教育も節目
    • Excellence in Economic Education法による助成制度のスタート
      (連邦アカカ上院議員、金融経済リテラシー議連など、立法サイドからも支援)
    • 財務省による金融経済教育への取組みの活発化
      (各省も参加する金融リテラシー教育協議会の立ち上げ、国家戦略の策定)

(参考2)米国経済教育関連団体の見取り図

(参考2)米国経済教育関連団体の見取り図

4.日本の経済教育の課題

我が国において経済教育を十分普及するために更に下記のような課題に取り組むことが必要。

  • (1) 現行の教育体系とも整合的な経済教育体系作り
  • (2) 体系をベースとした現場で使いやすい教材の作成・頒布
  • (3) 経済学の専門家ではない教員に対する研修・支援制度の整備
    (米国の例;米国FEDが主導する中高生および教員のための経済金融リテラシーのトーナメント戦「FEDチャレンジ」、ウェブサイトを活用した経済教育に関する情報のクリアリングハウスなど)
  • (4) 経済教育のために適切な教授法の検討
  • (5) 社会人教育の取組み
    経済リテラシーを必要とするのは学生・生徒のみではない。社会人教育の取組みも検討することが必要。

5.モデル教材の作成について

「牛丼屋経営ゲーム」を、モデル教材の一案として提示。

(教材の条件)

  • 生活実感に即して理解可能なものであること。
  • ゲームを通じ、「選択」「稀少性」「リスク」といった経済学的な概念に到達しうる題材。
  • 基礎から応用、経済政策へと様々な広がりをもったものであること。
  • アクティビティと呼ばれるゲーム的な学習形態の活用。

次年度以降、

  • モデル教材を活用したモデル授業を実施。
  • 多様な教材提供の作成。
 

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  1. (参考)モデル教材(牛丼屋経営シミュレーション)

(注)本調査は内閣府経済社会総合研究所が財団法人日本経済教育センターに委託したものである。

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