研究会報告書等 No.16
BRICs経済の成長と世界経済への含意に関する調査研究報告書

平成18年3月

(注) 本調査は内閣府経済社会総合研究所がみずほ総合研究所株式会社に委託したものである。

1. 調査の目的

ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国は、人口や面積等の面で各地域を代表する巨大国であるが、21世紀前半においてはエマージングエコノミーの中でも特に著しい成長を続けると予想されている。各国の人口規模から見ると、将来的に4カ国の経済は相当の規模に拡大し、世界経済の中でも大きなウエイトを占めることになると見られている。これらの諸国は、その頭文字をとってBRICsと呼ばれているが、今後のBRICsの経済成長は、世界経済にとっての需要拡大につながるとともに、エネルギー、環境問題など、地球的規模での問題に与える影響は極めて大きいと見込まれる。

BRICs全体が世界経済に与える影響(例えばロシアの経済危機のブラジルの経済危機への伝搬)、地球的課題に与える影響の大きさを考えると、日本、欧米諸国として、BRICsがとる経済政策が世界経済の成長と安定に貢献すること、少なくとも阻害しないことを確保する必要がある。

こうした観点から、本調査研究においては、BRICs各国の経済分析を深めながら、それらを通じて、BRICsの経済社会構造の共通点、相違点について考察した。また、BRICs相互の経済関係や周辺諸国との経済関係を分析するとともに、地球的規模の課題に対するBRICsの影響について調査した。

2. 調査の方法

本調査研究では、委託先(みずほ総合研究所(株))において、BRICsの比較経済分析を行うとともに、各国・分野の専門家からなる研究会を設置した。

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BRICs経済の成長と世界経済への含意に関する調査研究報告書別ウィンドウで開きます。(PDF形式 5.4 MB)

(2)調査報告書の構成

3. BRICsの比較経済分析のポイント

(1)高まるBRICsの存在感・影響力

  • BRICsは世界経済の1割プレーヤー
    名目GDPで9%のシェア。国土面積で世界の29%、人口では43%と圧倒的な比重。
  • 世界貿易で存在感を増し続ける
    世界輸出に占めるBRICs諸国のシェアは、4.2%(1992年)から10.1%(2004年)へと拡大。BRICs内では中国と他の3国間の格差が大きい。
  • 世界のエネルギー需給や環境問題に対する影響
    経済成長によりBRICsのエネルギー需要が増大。環境問題も深刻化。

(2)BRICsの経済発展パターンの特徴

  • 足下高成長を遂げているBRICs諸国
    足下BRICs諸国は高成長を記録。ただし、成長の持続性、安定性に大きな違いあり(ブラジル、ロシアは安定を取り戻し成長を実現。インド、中国は比較的安定した高成長を持続)
  • 経済自由化政策の役割
    程度の差はあるが、経済自由化はBRICs経済の発展に寄与。

(3)BRICs経済の長期展望

  • 持続的成長を支える制度的基盤
    「制度」の整備状況と所得水準との間には高い相関関係あり。所得水準と比較して、「制度」の整備が「相対的」に進んでいる国ほど、高い成長を遂げる傾向がある。
  • 持続的発展に向けた課題
    更なる制度の改善(市場開放、教育水準の引き上げ)。所得格差の是正、貧困問題の解消。財政基盤の健全化。

(4)BRICsの対外経済関係

  • BRICs諸国間貿易が世界貿易に占める比率はごくわずか
    BRICs諸国間貿易は世界貿易の0.5%を占めるにすぎない(04年。輸出ベース)。ただし、94年に比べるとその比率は2.5倍に拡大。
  • 周辺諸国にとってBRICs諸国は大きな存在
    周辺諸国にとり、BRICsは主要な貿易相手国として大きな存在。いずれのBRICs諸国の周辺国にとっても、近年中国の存在感が増している。
  • 世界の直接投資においてBRICsの存在は大きい
    BRICsに対する直接投資受け入れ額は、全世界向けの15%、途上国向けの41%(04年)。
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