研究会報告書等 No.25
ポスト京都議定書に向けた経済・環境統計情報の整備及びモデル分析のための総合的研究

平成19年7月

1. 調査研究の目的

内閣府経済社会総合研究所においては、環境と経済の相互関係が把握可能な勘定体系を確立するため、1991年度から「環境・経済統合勘定」に関する研究を実施しており、日本における環境・経済統合勘定の試算等を通じて様々な成果を上げてきた。とりわけ、2001年度からの3ヶ年計画で、NAMEA(National Accounting Matrix including Environmental Accounts:環境勘定を統合した国民経済計算マトリックス)を開発し、その成果は「経済活動と環境負荷のハイブリッド型統合勘定」として公表された。これは、国民経済計算(貨幣表示)と環境勘定(物量表示)から構成される「貨幣・物量統合ハイブリッド勘定」であり、経済と環境の実用的・政策的な相互作用の分析に有用な基礎情報を提供するものである。

他方、経済の持続的な成長にとって、環境と資源が主要な制約になることは多くの専門家が認めるところであり、特に京都議定書の対象期間である2008年~2012年を控えて、ポスト京都議定書の経済・環境政策のあるべき姿に関する議論が今後必要とされるところである。

そこで本調査では、研究会の開催やヒアリングを通じてポスト京都議定書の課題を整理するとともに、その政策を議論するための基礎資料としてデータベースを整備した。また、そのデータベース等に基づいたモデル分析を実施し、環境制約下での成長率の試算や環境制約を回避するための技術評価等をおこなった。

さらに、2007年3月に内外の専門家を集めた研究報告会を開催し、本調査の結果とヨーロッパの環境問題の現状報告をするとともに、ポスト京都議定書の枠組みについて、議論を行った。その結果、最終的に本調査から、ポスト京都議定書の枠組み作りに関する展望と課題、そして、その枠組みを見据えたモデル分析を行うための課題が、明らかになった。本報告書はこれらの成果をまとめたものである。

2. 報告書の構成

第1章では、ポスト京都議定書に向けた経済・環境政策のための基礎資料の作成として、本調査で用いる長期多部門モデルで使用するデータベースの整備・改良を行った。具体的には、最新のストックデータの反映と自家輸送の推計、CO2以外の汚染物質に関する情報の精緻化を行った。

第2章では、長期多部門モデルによるモデル分析を行った。まず、長期多部門モデルの概要や方程式体系について解説した後、水素自動車やバイオ燃料、CCS(Carbon Capture and Storage)といったCO2削減に貢献すると期待されている技術や、CDM(Clean Development Mechanism)といった制度などが導入された長期的な環境シナリオを想定し、シミュレーションを行った。そして、それぞれのシナリオにおけるGDPの経路や効用水準の比較を行うことで、それぞれのシナリオ、あるいは技術や制度についての評価を行った。

第3章と第4章では、研究会やヒアリングを通じて得られた、ポスト京都議定書に向けた展望に関する知見をまとめている。第3章では特にモデル分析の観点から、第4章では特に制度の観点から整理を行った。

第5章では、研究報告会の模様をまとめた。研究会では、本調査の結果とヨーロッパの環境問題の現状について紹介するとともに、ポスト京都議定書の枠組みについて議論を行った。提出された論文の要旨や、当日の議事概要、そして参考までに提出された資料を添付した。

第6章が本報告書のまとめであり、本調査で明らかになったポスト京都議定書の枠組み作りに関する展望と課題と新たな枠組みを見据えたモデル分析を行うための課題を整理した。

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(注)本研究調査は、内閣府経済社会総合研究所が財団法人日本総合研究所に委託したものである。

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