研究会報告書等 No.37
中国経済発展と日中経済協力に関する研究会 2007年度報告書

平成20年3月

概要

現在、中国のGDPは3兆ドルを超え、貿易規模は米国に次ぎ世界第2位である。また日本経済と中国経済は、貿易、直接投資、人的交流などを通じて強く結びついており、実質的な経済統合が進んでいる。したがって中国の健全な成長と発展は日本にプラスの機会をもたらす一方で、その政治的混乱や深刻な経済問題はさまざまなかたちを通じて日本の経済、企業、国民生活に影響する。日中両国が共存共栄の道を模索するために、双方が抱えている問題を深く理解し、相互協力と協調を進めていくことが望まれる。こうした観点から鑑みて、中国経済発展および日中経済関係に関する研究を日中両国の研究者が合同で進めていくことには大きな意義がある。

本研究会は、中国の経済発展の趨勢について、比較経済学的な視点から、政策案の検討を行おうとするものである。研究を進めるにあたっては、特に以下の3つの課題が強調されている。第1の課題は高度成長の制約である。中国は他の途上国と異なる政治経済的条件のもとに急速な経済発展を続けているが、こうした経済成長がどのような環境で終わりを迎え、どのような経済社会状況をもたらすのかに答えることが必要である。第2の課題は中国が抱える構造問題である。中国が現在の輸出主導の経済発展から内需主導の経済発展へと移行するには経済の構造調整が不可欠となるが、こうした構造調整を阻むさまざまな社会経済的問題が中国には内在している。これら諸問題にどのように挑むのかの答えが必要である。第3の課題は当面の経済運営である。これは現在の高度成長型発展から安定成長への移行の問題でもある。輸出主導の高成長が永続できないとすると、いつから、どのような政策順序で安定成長政策へ移行するのかが課題となる。

研究の進め方としては、日本国内の中国専門家による委員会方式で研究を実施し、検討を重ね、その結果をワークショップで報告して中国国内の専門家との研究交流を実施するという、二段階方式をとっている。まず第一段階として、日本国内では学術ビジネス双方の専門家による分析を行い、中国国内の現状と長期的課題を整理し、これに基づき優先度の高い課題や解決策を検討する。中国側では各研究機関の研究者に研究論文の報告を依頼し、日本側と同一の問題意識での研究課題のもとに研究を進めてもらう。つぎに第二段階としてワークショップを開催し、日中双方の研究成果を発表するとともに、相互に意見を述べあい、検討成果に基いて、より深い政策研究を必要とするテーマを抽出していく。

こうした問題意識と課題設定のもと、日本国内では研究会が3回実施されるなど、研究が進められてきた。今年3月28 日には北京にて本研究会として初の日中合同ワークショップが開催された。本報告書は、その合同ワークショップで発表、配布された資料をまとめたものである。

研究はまだ緒に就いたばかりであるが、本報告書を通じて、ここまでの研究の成果を世に問うとともに、この刊行が今後の研究の発展の一つの礎石となってくれることを期待したい。

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  1. 表紙別ウィンドウで開きます。(PDF形式 270 KB)
  2. 目次
  3. はじめに
  4. 委員名簿
  5. 北京ワークショッププログラム
  6. 基調講演別ウィンドウで開きます。(PDF形式 135 KB)
  7. 中国型経済発展の特質とリスク -日中は相互に何を学ぶべきか[1]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 483 KB)[2]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 277 KB)
  8. 日中経済関係の課題と展望[1]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 323 KB)[2]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 328 KB)
  9. 東アジアの経済統合と日本の物流協力[1]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 485 KB)[2]別ウィンドウで開きます。(PDF形式 333 KB)
  10. 総括別ウィンドウで開きます。(PDF形式 220 KB)
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