神戸市動物管理センターと「CCクロ」の取り組み

「さあ、シッポのある家族を迎えに行こう!」

【神戸市動物管理センター】
【神戸市動物管理センター】
【収容されてる犬たちが入る設備】
【収容されてる犬たちが入る設備】
【致死処分された動物が運ばれるコンテナ】
【致死処分された動物が運ばれるコンテナ】

このレポートを読んでくださる読者の方々は、飼い主に見捨てられた犬や猫たちの悲しい末路をご存じであろうか。

現在、都道府県・政令市・中核市の動物管理センターや保健所では、動物愛護管理法に基づき、遺棄された犬の捕獲事業と、不要であるとして持ち込まれた犬や猫の引き取り事業を行っている。施設に収容された犬や猫の保管期間は、平均的には4~5日である。多くの場合は、これを過ぎるとそのまま致死処分することとなっている。ここ数年間で適正飼養に関する普及啓発が浸透したことにより引取数・処分数は漸減しているが、それでも2003年度の致死処分数は犬と猫をあわせて全国で44万匹、毎日1000匹以上の犬や猫が誰にも見守られぬまま冷たいコンクリート施設の中で命を失っている。人間の子供の1~3歳程度の知能や感性を持つといわれる犬や猫たちの、信じていた飼い主に安易に飼養放棄された挙げ句の末路は、あまりに哀れではあるまいか。

果たして、こうした引き取り・致死処分をする自治体の施設は、動物愛護論者から目の敵のように批判されてきた。何故に犬や猫を安易に引き取り致死処分する業務を続けているのか、収容した犬や猫の新たな飼い主になってくれる人を積極的に探すべきではないか、施設で保管している数日間の劣悪な衛生状態は虐待に当たるのではないか、といった主張である。彼らがそう叫ばずにはいられないほどの悲しい実情があるのは確かであるが、自治体という大規模な組織の中で働き、人事異動を通じて複数の職場を渡り歩いてきた職員にとってみれば、愛護論者からの批判は、他の政策分野とのバランスや財政状況を度外視した身勝手な主張に聞こえてしまう。一方では、近隣の犬猫を嫌う住民からの苦情電話がかかってくるため、板挟みになった彼らは、自分たちに厳しい非難の言葉を寄せる動物愛護論者に対する苦手意識・嫌悪感をさらに膨らませてしまう。そして、時には真っ直ぐな眼差しで職員を見つめていた犬や猫を自ら致死処分させねばならないことへの後ろめたさに悩まされ、現状も仕方ないことであると自己正当化することになる。その結果、行政職員と動物愛護の活動家のコミュニケーションは歪曲し、相互の溝は深まるばかりという悪循環が発生する。これは、全国の自治体の多くで該当する状況であろう。

【譲渡会のためにCCクロが用意したお手製看板】
【譲渡会のためにCCクロが用意したお手製看板】
【譲渡会のためにCCクロが用意したお手製看板】
【新しい家族を探すための譲渡会の様子】
【新しい家族を探すための譲渡会の様子】
【新たな飼い主のもとに送り出す様子)】
【新たな飼い主のもとに送り出す様子)】

こうした動物愛護のボランティアと行政サイドの敵対関係を少しずつ解きほぐし、相互協力を進めている自治体も、少数ではあるが存在している。神戸市の動物管理センターも、そうした施設の一つである。

神戸市動物管理センターは、中心部から少し離れた丘陵地帯の中にある。この一角には、拘置所・火葬場・墓園と物々しい施設が並んでおり、その中に犬や猫を致死処分する施設が並んでいるのも宜なるかなというところである。ところが、施設の雰囲気とそこで働く人々の表情は、むしろ明るく前向きである。収容されている犬たちも、朝の食事を済ませると、次は遊んでくれとばかりに元気にアピールをしはじめる。十数万円の値付けのされたペットショップの犬よりも、ここにいる犬の方が生き生きとした表情を浮かべているのは、一体どうしたことだろうか。その背景には、センター施設内で熱心に動物の世話をするボランティア団体「CITY CENTER クロ(通称CCクロ)」の存在があり、ボランティアの活動に触発されて職場の現状を改善しようと努力を始めた行政職員の存在がある。

神戸市のセンターが、こうしたボランティア団体との協働を始めたのは、10年前の阪神淡路大震災にさかのぼる。もともと神戸市で捕獲・収容された動物は、数日の保管期間を経た後にはほぼ100%致死処分されていたという。ところが、大震災時には、飼い主が大切にしていた犬や猫が街に迷い溢れた。緊急事態において人命救助・人の生活の復旧が最優先される中、行政職員には犬や猫を救護している余裕は全くなかった。そこで、兵庫県、神戸市、社団法人兵庫県獣医師会、社団法人神戸市獣医師会、社団法人日本動物福祉協会阪神支部の五者が被災動物の救援組織『兵庫県南部地震動物救援本部』を立ち上げ、被災動物の救護について対策が講じられることになったという。それは単に犬や猫を救うという意味を持つだけではなく、愛犬・愛猫を探し求めている飼い主を助け、また緊急避難場所で動物を飼養できない飼い主の心を救うという意味があった。そこで、多数の動物を飼養管理するために、動物管理センターが広い敷地を提供し、そこに農家用のビニールハウスを用いた動物の保管設備を整え、獣医師会と動物福祉協会のスタッフ及び全国から集まったボランティアが常駐することとなった。この兵庫県南部地震動物救護本部の立ち上げは、行政組織と民間団体は相互に協力できるのだと関係者が認識する契機となり、またセンターの敷地内で犬や猫を責任を持って預かるという方針を決定したことで、「動物を致死処分せず、返還・譲渡する」という活動を始めるターニングポイントになったという。1999年から、センターでは「ワンワン譲渡会」なるものを行うようになった。

ところが、大震災の混乱が静まり、預かり動物を全て返し、あるいは新たな飼い主を見つけ出して譲渡した後には、動物管理センターと民間団体の連携は元の木阿弥となった。救護本部解散とともに、収容された犬や猫は数日の保管期間の後に処分するという基本的な方針が戻り、また部外者をセンター施設内に入れるという発想も全く白紙に戻ってしまったという。

収容施設の中に入れなくなった協会スタッフらは、今度は情報公開の必要性を根拠に、神戸市民として行政活動を観察する権利があると申し入れ、定期的に施設の見学に来ることとなった。彼女らが言うところの「動管ウォッチング」は、1999年にセンターで始まった「ワンワン譲渡会」での見学を名目にスタートしたという。当初の行政サイドとしては、「うるさいおばちゃんがまた来るで」「余計なこと言わんように気いつけや」と、戦々恐々、いい加減にウンザリというところであった。

しかし、中には、愛護団体の主張はもっともであると素直に聞き入れ、施設運営の改善に向けて努力を始める職員も出てきたという。行政職員による自発的な取り組みが始まったことで、行政と愛護団体の敵対的な関係は、行政サイドの弱点を補うための前向きな協力関係へと少しずつ変わっていった。こうして、外部の民間人がセンターの各種業務を手伝うために、日本動物福祉協会阪神支部が軸となって、一般の神戸市民や地元の動物専門学校の学生らによるボランティアグループ「CCクロ」が発足することとなった。行政組織内部の活動であるからには、公務員に準じた守秘義務が必要であるということで、そうした事情を十分に理解できるボランティアを集めることになったのである。

【CCクロのシンボルである犬クロ】
【CCクロのシンボルである犬クロ】

ちなみにクロというのは、センターに引き取られたにもかかわらず幸運が重なって処分を免れ、そのまま長らく飼育されていた雑種犬の名前である。性格も穏やかで、来訪者に愛想を振りまき、人々の心を和ませる力を持っていたため、グループの名称として採用されることになった。センターに「勤務」すること10年、その功績を認められ、現在では職員の自宅で悠々自適の暮らしをしているという。

現在のセンターの業務は、このCCクロによって様々な場面で支えられている。

まず第一に、収容動物の譲渡事業において、各種の審査や手続きに関する業務をボランティアらが手伝っている。もともと神戸市では、譲渡事業といっても、市民が家庭で生まれた子犬を持ち込んで交換会を行うといったものであったという。そのため、不要であるとして引き取った保管動物は、小さな子犬を除いて譲渡対象とされてこなかった。しかも、新たに飼い主になる人は、特に審査手続きもなく即日無条件抽選で決められていた。これでは、致死処分される動物を減らすための譲渡事業であるどころか、各家庭で無責任に動物を繁殖させることを助長しかねず、しかも引き取った新しい飼い主が適正な飼養を行うとも限らない。そこで、長らく保護・譲渡活動をしてきた日本動物福祉協会のアドバイスに従いながら、2002年度より、飼育希望者に対する事前登録や事前訪問審査、適正飼養に対する講習会の出席を義務づけた譲渡手続きを整備することとなった。これを受けて、CCクロのメンバーが、毎週水曜日の譲渡会の宣伝、当日の犬の世話、来訪者の対応、飼育希望者に対する訪問審査業務などを引き受けている。

打ち合わせ
【動物福祉の基本は清潔から。 学生ボランティアによる打ち合わせと清掃業務の様子】
清掃業務の様子
動物福祉協会の寄付で建てられた清潔な犬舎
【動物福祉協会の寄付で建てられた清潔な犬舎】
譲渡を待つ犬たちの様子
【譲渡を待つ犬たちの様子】
(ホワイトボードに犬の名前を書き、食事が済めば黄色、散歩が済めば緑色、 問題があれば赤色のマグネットが張られメモが書き込まれる)
【多数のボランティアが飼育管理の情報を共有するための仕組み】
(ホワイトボードに犬の名前を書き、食事が済めば黄色、散歩が済めば緑色、 問題があれば赤色のマグネットが張られメモが書き込まれる)

ところで、本格的な譲渡事業を進めるためには、センターで引き取った犬たちを長期にわたって飼育管理する必要が出てくる。しかし、センターに持ち込まれる動物は、飼育管理がしやすい動物ばかりではない。否、むしろ飼い主に適正に管理されていなかった動物が連れ込まれる。中には、人間に対する不信感を持ち過剰に攻撃的になっている犬、皮膚病や糞尿にまみれて悪臭漂う犬など、誰であっても近寄りがたい犬たちもいる。そうした犬たちの飼育管理は、人間にとっても精神的に過酷なものである。しかも、譲渡事業を始めたからといって全ての犬が新たな飼い主を見つけるのに相応しい条件を持っているとは限らない。結局のところ数日の保管期間の後に処分される運命にある犬たちを、家庭の犬と同じように清潔に愛情を持って管理する作業は、よほどの動物福祉の精神を持つ人間でなければやり遂げられない。具体的に言えば、シャンプー、ブラッシング、施設の清掃に始まり、譲渡対象として選ばれた犬には、トイレのしつけ、散歩、アイコンタクトの練習、社会訓練などが必要になる。これらの多岐にわたる作業をセンター職員だけで行うことは、時間的にも技術的にも到底困難である。

こうした作業を、CCクロのメンバーが引き受けることになった。多くの自治体では部外者立ち入り禁止となっているセンター施設内で、スモッグを来た地元の主婦やジャージ姿の学生がてきぱきと作業する様子には、一瞬面食らわないではいられない。しかし、彼女たちは、和気藹々と疲れも知らぬ風情で、悪臭漂う犬を丁寧にシャンプーし、下痢で汚れたケージもぐっとこらえて清掃する。ボランティアの笑顔が全快になるのは、遊んでほしいと飛び跳ねる犬を、施設に隣接する300坪もある遊水池を利用した運動場で思いっきり遊ばせるときである。彼女らのおかげで、センター内には明るい笑い声が響くようになった。その奉仕の精神には敬意を払わずにはいられない。

さて、これらのボランティアによる作業は全て無償奉仕である。時には市の職員が個人的に参加することはあるにしても、職員個人による努力は、定期的な人事異動がある限り継続的なものにはなりえない。実は、休日には施設が無人となるため、CCクロのスタッフが施設の清掃や給餌・給水にやってきている。数多くの愛護団体が指摘するとおり、センターが生き物を管理する施設である限り、市職員に一定の手当を用意して休日出勤を可能にするシステムを整えるべきであろう。センターに多額の寄付を行ってきた日本動物福祉協会阪神支部も、全国の自治体における休日の無人保管を解消し、収容動物の処遇改善を実現すべきであると恒常的に提言を出している。

だからといって、外部からの無償奉仕を、行政の怠慢を助長する下請けであると批判するのでは、神戸市の取り組みの意義を十分に理解していることにはならない。動物愛護の活動家から目の敵のように非難されている収容施設内部に、外部のボランティアを導き入れるには、施設管理者側のよほどの覚悟が必要になる。動物の管理状況に関する情報が全て筒抜けになることを考えれば、適正な管理に向けた努力をしているという自信がなければ、ボランティアが施設内に出入りすることを認めるのは無理であろう。こうした活動を行っている施設は、全国でも指で数えるほどしかあるまい。休日に合鍵までボランティアに渡しているところは、神戸市以外聞いたことがない。

実際に、センター職員も大きく変わり始めている。今年になって、譲渡に向けて長期的に飼育されることが決まった犬たちのために、日本動物福祉協会阪神支部による寄付によって犬舎が建てられたが、その際には、センター職員が通路づくりなどの肉体作業を手伝った。ボランティアの活動に自らも関与することで、犬舎の衛生状態にも一層の関心を持つようになり、犬たちへの眼差しも変わってきたという。さらに、一般市民からの多様な問い合わせがあったときには、市職員とボランティアが相談しあって対応を決めることもあり、そうした市職員とボランティアのために、専門知識や技能を提供しようとする民間の専門獣医師も来訪するようになった。お互いに隠すところがなくなったセンターでは、行政職員・ボランティア・民間獣医師らが相互に意見交換を行うようになり、「うるさいおばちゃん」たちは、今やセンター職員の誰もが認めるご意見番となった。

このように全国平均から見れば、圧倒的に先進的な神戸市の動物管理センターであるが、だからといって今後改善すべき課題がないわけでは決してない。

第一に、猫の問題がある。神戸市の譲渡事業は、現時点では犬のみが対象となっている。しかし、自治体の収容動物の内訳を見ると、最近は猫の方が数が多くなりつつある。その傾向は都市部において顕著であり、2004年度の神戸市においては、犬の収容数が約700頭であるのに比して、猫の収容数は約3500匹となっている。また、犬の内訳は成犬と子犬が2:1程度であるのに比べて、猫の内訳は成猫と子猫が1:8という状態である。数が圧倒的に多いのに加えて、自力で生きていけない子猫が多いことから、神戸市のセンターでは猫の譲渡については手を出せない状況であるという。ところが、収容されている猫の保管状況は、決して犬ほど改善されてはいない。その保管期間は6日である。この状態をどうすべきであろうか。

動物愛護論者の多くは、迷子であるという可能性を考慮してもっと長く保管すべきである、そもそも譲渡事業を始めるべきであるし致死処分すべきではないと発言するであろう。けれども、目前の現実における短期的な意味においては、保管期間の延長は、ネコたちの苦痛の時間を延ばすことにもなりかねないのである。圧倒的な数を前に致死処分せざるを得ない、そして多数が収容されるからこそターミナルケアを丁寧に施してやることもできない。捨て猫たちの、そして捨て猫によって産み落とされた猫たちの末路には、なんと悲しい矛盾があることか。

しかしそれでもなお、すでに全国の自治体の中には猫の譲渡を始めたところもある。犬と同様に猫を愛する人もいるのであって、どうすれば猫の譲渡に向けた第一歩を踏み出せるのか、改めて議論する必要があるのではないだろうか。譲渡という未来があってこそ、保管期間が生き残るための時としての意味を有するようになる。ここに至るまでの関係者の苦労を思えば、決して安易な提言をすることは許されないとはいえ、千里の道も一歩からという言葉を思わずにはいられない。

第二に、センターの現場での活動を踏まえて、神戸市における動物愛護管理行政の施策の全体像と長期的なビジョンを整えていく必要があるのではないだろうか。もちろん、センターに収容された動物たちのための予算や人員を確保することも重要である。しかし、財政逼迫の折、他の政策分野とのバランスを考えれば、人員・予算拡大の要求が俄に認められるのは困難であろう。そうであるならば、動物をめぐる社会問題を解決するために、一般飼い主に対する動物の適正飼養に関する積極的な普及啓発や、無責任な多頭飼育による動物虐待や近隣トラブルの解消に向けた取り組みなど、幅広い施策をより積極的に行っていく必要がある。

こうしたビジョンを議論する場を設ける必要があるというのは、動物愛護管理行政をめぐる課題について多様な関係者が情報を共有する場を設けるという意味がある。現場の課題が、神戸市役所の本庁の関係部局や市内の区役所の関係部課に知られていてこそ、幅広い取り組みが可能になる。動物を取り巻く多様な情報や意見を幅広く庁内に流通させるための努力が、今後のセンター職員には求められていくことになろう。

奇しくも神戸市は、災害時における動物救護のあり方を議論する嚆矢となった土地であるとともに、動物虐待を放置することが大きな悲劇を生むという事実を社会全体に突きつける事件が起きた土地でもある。センターの業務改善にとどまらぬ幅広い施策について、神戸市の経験を生かす議論を展開していってほしいと思う。

【センター入り口の横にある動物の慰霊碑
【センター入り口の横にある動物の慰霊碑
(慈という字が刻まれている)】
【センター職員と日本動物福祉協会阪神支部のスタッフのみなさん】
【センター職員と日本動物福祉協会阪神支部のスタッフのみなさん】

地域社会・地方行政を研究する学問分野において、ローカルガバナンスという概念がある。地域の問題は行政活動のみによって解決できるとは限らない。人々の生活スタイルや価値観が多様化し、社会問題も複雑化している現在、自治体のサービスとして対応できる範囲には限界がある。住民・ボランティア団体・NPO・民間企業その他の関係者が相互に協働しあってこそ、地域の問題は解決できるものである。ガバメントによる解決ではなく、多様な関係者によるガバナンスによる解決が必要であるというのは、今や誰もが認めるところとなっている。動物の適正飼養の普及啓発やセンター業務の改善も同様であり、行政職員だけで全てを達成できるものではない。こうした活動に関する知識・経験・熱意のある民間人の協力が不可欠である。

だからこそ、各地域内で行政職員と動物愛護の活動家が、目前の課題だけを見ていがみ合っていては動物たちの状況は改善されない。愛護論者は、行政側の対応がどんなに不足しているように見えても、頭ごなしに批判するのではなく行政機構内部の事情を理解しようとしなければならない。行政組織側は、愛護論者の発言がどんなにエキセントリックに聞こえたとしても、そこから学ぶべきエッセンスを探すことを怠ってはならない。小異を捨てて大同につくためには、自らの弱みを認知し、相手の強みに敬意を払い、相互が役割分担をする工夫と忍耐心が必要である。神戸市の取り組みは、そうした教訓を提示してくれている。

神戸市動物管理センターは、紆余曲折を経てやっとここまで辿り着いた。現時点のセンターは、職員とボランティアの「渾身の作」といえるものであろう。けれども、数年前までは、他の自治体と全く変わらぬ状況であった。そうであるならば、どこの自治体であっても数年の努力で状況は大きく変わってくるはずである。動物を愛する人々が協力し合えるように、そうすることで犬や猫を取り巻く環境が少しでも和やかで温かなものになるように、心からの願いを込めて、神戸市動物管理センターの今後の活動を見守っていきたい。


  • 連絡先: 神戸市動物管理センター
  • 神戸市北区山田町下谷上字中一里山14-1
  • 電話 078-741-8111

成城大学法学部助教授  打越綾子
打越綾子

成城大学法学部助教授  打越綾子

専門分野:
行政学 地方自治論
略歴:
1994年 東京大学法学部卒業
2001年 東京大学大学院法学政治学研究科博士学位取得

主な著書・論文 『自治体における企画と調整』日本評論社

大学院時代に、川崎市総合企画局専門調査員として、行政組織内部の実態を観察する機会に恵まれた。新たな社会問題が発生した場合に、行政機構がどのような反応を見せるのか、内部のメカニズムに注目しながら分析を試みている。

また、最近では、動物の福祉に関心を持ち、ペットをめぐる諸課題や野生動物・畜産動物・実験動物の取扱について、行政学の見地から研究を進めている。

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