ESRI通信 第1号

平成20年9月17日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【所長挨拶】

内閣府経済社会総合研究所は、中央省庁再編の一環として旧経済企画庁経済研究所の機能・規模を拡充し、平成13年1月に内閣府のシンクタンクとして発足いたしました。私は、浜田宏一氏、香西泰氏、黒田昌裕氏のあとを引き継ぎ、本年6月に所長に就任いたしました。

当研究所は、国民経済計算の推計や景気動向指数の作成など、わが国の経済動向を把握するための基礎となる重要な統計を整備するとともに、経済社会全般にわたり、政策判断の材料となる研究を推進しています。

わが国経済社会をとりまく環境は日々刻々と変化しており、変化に適応した政策が求められています。当研究所で担当している統計も、世界的な潮流も参考にし、更なる改善に努め、一層質の高いものにしたいと思います。具体的には、GDP統計の精度向上等に引き続き取り組んで参ります。また、景気統計については、この度、CIを中心とした公表形態へと移行したところですが、今後も不断に見直していきたいと思います。

一方、政策判断の拠り所とすべき理論は、マクロ経済学が一般均衡のフレームワークで統合されるなど、近年目覚ましい発展がみられます。当研究所は、こうした最先端の理論を積極的に取り入れながら、現実に求められる政策との橋渡し役を担いたいと思います。

どのような政策が望ましいかは、互いに議論して説得し合うというプロセスが極めて重要となります。このため、内外の一流の研究者との交流を積極的に深め、シンポジウムなど広く一般向けの議論の機会も多く設けたいと思います。さらに、当研究所は私が研究者としてスタートした組織が前身の経済研究所ということもあり、今後、経済社会分野における若手研究者をできるだけ多く輩出できるようにしていきたいと考えています。

日本経済は現在、難しい局面を迎えており、内閣府でとりまとめるマクロ経済運営や構造改革を進める上での政策課題を理論を基礎に実証的に分析することが求められています。当研究所としては、中長期的な視野に立って政策課題に関連する研究を積み重ね、できる限りわかりやすく各種政策の得失を明らかにする研究成果を皆様にお示しできるよう努めて参りたいと思います。

皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

平成20年6月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    所長 岩田 一政

【最新の研究発表】

  • 「知的財産権保護と企業内・企業間技術輸出:日本の企業データによる実証分析」(伊藤 萬里)(平成20年8月)

    近年、知的財産権保護の強化が貿易や直接投資など国際取引にどのような影響を与えるのか注目を集めている。その一方で、知的財産権が国際間技術移転に与える影響を対象とした実証研究は少ない。この論文は、知的財産権保護の強化が多国籍企業の企業内および市場を介した企業間技術移転にそれぞれどのような影響を与えるのか、日本企業の技術貿易データを利用した実証分析の結果を提示する。実証結果は、企業・産業・輸出先国の属性を制御した上で、知的財産権保護の水準が高い国において企業間技術移転が活発であること、知的財産権保護が企業内技術移転に与える影響は平均的に負である一方、研究開発集中度が高い企業は企業内技術移転が活発であることを示唆している。

  • 「北朝鮮経済の現状と今後の展望:改革・開放の行方」別ウィンドウで開きます。(PDF形式 237 KB)(山本 栄二)(平成20年8月)

    北朝鮮経済は、1990年代後半の最悪の時期を脱し、近年緩やかではあるが回復基調にあると言われている。一方、改革・開放の動きが断片的に見られるものの、大きな流れにはなっておらず、現状・見通しについては不透明である。このような北朝鮮経済の現状と見通しについては、そもそも基本的な経済指標や統計が極めて限定されていることもあり、見方や評価が研究者の主観や前提によって左右される傾向が少なくない。本稿では、1994年の金日成の死後、金正日が独自色を出して本格的に国家運営の前面に出始めた1998年以降の北朝鮮経済の流れを先ず概観する。その際、対外経済関係に関し、最近中国、韓国との経済交流の比重が増大していることを踏まえ、中朝、南北の経済関係に焦点を当てる。その上で、特に、2002年のいわゆる「7・1」経済管理改善措置以降、北朝鮮の改革・開放の推移・現状及び今後の見通しがどうなっているのか、先行論文等を踏まえつつ、幾つかの見方を整理し紹介すると共に、筆者の見方の提示を試みたい。

<報告書の掲載>


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<報告書の掲載>


【最新の統計】

<SNA統計>

  • 四半期別GDP速報(平成20年4-6月期・2次速報)(平成20年9月12日)

    平成20年4-6月期(2次速報)の実質GDP成長率は、0.7%(年率3.0%)となり、1次速報値0.6%(年率2.4%)(8月13日公表済)と比べて0.1%ポイントの下方改定となりました。下方改定に寄与した需要項目は、財貨・サービスの輸出入及び民間企業設備であり、それぞれ6月分の「国際収支統計」、4-6月期分の「四半期別法人企業統計調査」を反映した結果です。

  • 四半期別GDP速報における民間企業設備の推計方法の変更について(平成20年9月5日)

<景気動向指数>7月速報(平成20年9月10日)

  • 7 月のCI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数:91.6、一致指数:103.3、遅行指数:100.9となった。
    先行指数は、前月と比較して0.6 ポイント上昇した。3 ヶ月後方移動平均は0.27 ポイント下降し、2 ヶ月振りの下降、7 ヶ月後方移動平均は0.31 ポイント下降し、23 ヶ月連続の下降となった。
    一致指数は、前月と比較して0.9 ポイント上昇した。3 ヶ月後方移動平均は0.43 ポイント上昇し、9 ヶ月振りの上昇、7 ヶ月後方移動平均は0.15 ポイント下降し、5 ヶ月連続の下降となった。
    遅行指数は、前月と比較して0.2 ポイント上昇した。3 ヶ月後方移動平均は0.76 ポイント下降し、4 ヶ月連続の下降、7 ヶ月後方移動平均は0.52 ポイント下降し、4 ヶ月連続の下降となった。
  • 一致指数の基調判断
    「景気動向指数(CI一致指数)は、悪化を示している。」という前月の基調判断を変更する状況にはない。

<機械受注統計調査報告>7月実績(平成20年9月11日)

  • 平成20年8月の一般世帯の消費者態度指数(原数値)は、7月の31.4から1.3ポイント低下し、30.1となった。
  • また、消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について、一年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合が前年同月差で19.9ポイント増加し、88.2%と高水準であったものの、前月差は1.1ポイント減少した。

<消費動向調査>8月調査(平成20年9月16日)

  • 平成20年8月の一般世帯の消費者態度指数(原数値)は、7月の31.4から1.3ポイント低下し、30.1となった。
  • また、消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について、一年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合が前年同月差で19.9ポイント増加し、88.2%と高水準であったものの、前月差は1.1ポイント減少した。

【参考】<月例経済報告>8月(平成20年8月7日)

  • 景気は、このところ弱含んでいる。
    • 輸出は、弱含んでいる。生産は、緩やかに減少している。
    • 企業収益は、減少している。設備投資は、おおむね横ばいとなっている。
    • 雇用情勢は、厳しさが残るなかで、このところ弱含んでいる。
    • 個人消費は、おおむね横ばいとなっている。
  • 先行きについては、当面、弱い動きが続くとみられる。なお、アメリカ経済や株式・為替市場、原油価格の動向等によっては、景気がさらに下振れするリスクが存在することに留意する必要がある。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
9月10日
(7月分)
9月19日
(7月分)
9月11日
(7月分)
9月16日
(8月分)
9月24日
(7~9月期)
10月7日
(8月分)
10月20日
(8月分)
10月9日
(8月分)
10月14日
(9月分)
11月6日
(9月分)
11月18日
(9月分)
11月10日
(9月分)
11月12日
(10月分)

ご意見・ご感想はこちらから

  • 〒100-8914
    東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎第8号館
  • 電話 03-5253-2111(代表)