ESRI通信 第2号

平成20年10月15日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

内閣府経済社会総合研究所のホームページへ


【設立の原点に帰って】

内閣府経済社会総合研究所の前身は、経済企画庁経済研究所です。経済研究所の設立は1958年(昭和33年)7月1日ですので、そこから数えて今年はちょうど50周年を迎えたことになります。そこで76年に刊行された『経済企画庁30年史』により、設立当時の状況をご紹介します。

初代所長は、長期経済統計の碩学である故大川一司氏(一橋大学名誉教授)でした。回想インタビューの中で次のように述べられております。少し長いですが、一部引用します。

『(略)景気の見方に関連して、昭和32年頃、在庫論争が下村(治)さんと後藤(誉之助)さんの間で行われたりしましたが、決め手となるデータが不足しているなどの事情もあって、よりいつそう実証的な経済分析を深めるため経済企画庁に経済研究所をつくることになりました。(略)直接、政策を進言するというよりは、その基礎になる調査分析を長い目でやるというところにねらいがあった。基本的なリサーチというものは、まだほとんど着手されていないころでして、まずそのスタートの基礎をつくることに専念しました。(略)日本の官庁として最初にコンピュータの導入をやったのです。大変な意気込みで、京大の湯川さんの物理研究所が第一号で、企画庁が第二号を入れるのだという張り切りでした。当時の予算説明は大変な騒ぎで大臣レベルまで上がったりしました。(略)』

設立当時の雰囲気をお分かりいただけたかと思います。こうして出発した研究所の成果としては、58年8月の経済研究所研究シリーズ第1号では、「昭和26~32年国民資本勘定―その試算と問題点」、59年12月の経済分析第1号では、「四半期別国民所得統計(速報)の分析」「銀行の流動性分析」などがテーマとなっております。データの整備とともに、さまざまな分析手法を用いた実証分析がなされました。当時どのような分析がなされたかご興味のある方は、一度研究所ホームページをご参照いただければと存じます。

当時の国民生活を見ると、一人当たりの実質国民総生産が戦前期(34-36年)を超え、テレビ・洗濯機・電気冷蔵庫に代表される大衆消費社会の幕開けの時代でした。また、当時の日本経済は、経済モデルでいえば、1国小国モデルの世界といえます。翻って現在を見れば、グローバル化がさまざま分野で進行し、少子・高齢化社会を迎えております。世界的な環境問題など地球規模の課題も山積しております。ここ50年で日本の経済社会を取り巻く環境変化は著しいものがありますが、新たな課題を含め、実証的に分析する、その基礎としてデータの整備と分析ツールの開発を図っていくという研究所の役割に変わりはないと考えます。

当研究所においては、研究のほか、SNA統計や景気統計の作成整備、ESRI経済政策フォーラムなどの開催、経済研修の実施などさまざまな活動を行っています。前月から『ESRI通信』を配信することにしました。原則として月に一回ですが、1ヶ月の活動状況や成果をまとめて配信します。研究所の活動への皆様のご理解の一助になれば幸いです。

平成20年10月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    次長 中藤 泉

【最新の研究発表】

<報告書の掲載>

  • 「地域における環境経済統合勘定の推計作業」報告書を掲載しました。(平成20年9月)

    『地域における環境経済統合勘定の推計作業』は、地域を対象に、経済と環境の相互作用をデータを使って体系的に整備したものである。 季刊第133号で紹介したハイブリッド型統合勘定作成マニュアルを用いて、より精緻なハイブリッド型統合勘定表を作成し、地域版ハイブリッド型統合勘定を利用した分析を行ったので、ここに紹介する。


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<開催案内>

<報告書の掲載>


【最新の統計】

<法人企業景気予測調査>7~9月期調査(平成20年9月24日)

  • 20年7~9月期の「貴社の景況判断」BSIを全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「下降」超となっている。先行きを全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「下降」超で推移する見通しとなっている。

  • 20年7~9月期の「国内の景況判断」BSIを全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「下降」超となっている。先行きを全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「下降」超で推移する見通しとなっている。

<景気動向指数>8月速報(平成20年10月7日)

  • 8 月のCI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数:89.3、一致指数:100.7、遅行指数:100.2となった。
    先行指数は、前月と比較して2.1 ポイント下降した。3 ヶ月後方移動平均は1.00 ポイント下降し、2 ヶ月連続の下降、7 ヶ月後方移動平均は0.79 ポイント下降し、24 ヶ月連続の下降となった。
    一致指数は、前月と比較して2.8 ポイント下降した。3 ヶ月後方移動平均は1.00 ポイント下降し、3 ヶ月振りの下降、7 ヶ月後方移動平均は0.42 ポイント下降し、6 ヶ月連続の下降となった。
    遅行指数は、前月と比較して0.8 ポイント下降した。3 ヶ月後方移動平均は0.67 ポイント下降し、5 ヶ月連続の下降、7 ヶ月後方移動平均は0.53 ポイント下降し、5 ヶ月連続の下降となった。
  • 一致指数の基調判断
    「景気動向指数(CI一致指数)は、悪化を示している。」という基調判断を変更する状況にはない。

<機械受注統計調査報告>8月実績(平成20年10月9日)

  • 機械受注総額(季節調整値)の動向をみると、20年7月前月比8.5%減の後、8月は同1.2%減の2兆4,399億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、20年7月前月比3.9%減の後、8月は同14.5%減の8,917億円となった。このうち、製造業は同13.9%減の3,953億円、非製造業(除く船舶・電力)は同14.9%減の5,008億円となった。

<消費動向調査>9月調査(平成20年10月14日)

  • 平成20年9月の一般世帯の消費者態度指数(原数値)は、8月の30.1から1.3ポイント上昇し31.4となった。季節調整値でみると、6月の32.3から1.1ポイント低下し31.2となった。
  • また、消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について、一年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合が86.7%と高水準であったものの、前月差は1.5ポイント減少と、2ヶ月連続で減少した。

【参考】<月例経済報告>9月(平成20年9月19日)

  • 景気は、このところ弱含んでいる。
    • 輸出は、弱含んでいる。生産は、緩やかに減少している。
    • 企業収益は、減少している。設備投資は、弱含んでいる。
    • 雇用情勢は、厳しさが残るなかで、このところ弱含んでいる。
    • 個人消費は、おおむね横ばいとなっている。
  • 先行きについては、当面、弱い動きが続くとみられる。ただし、アメリカにおける金融不安の高まりや株式・為替市場の変動などから、景気がさらに下振れするリスクが存在することに留意する必要がある。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
10月7日
(8月分)
10月20日
(8月分)
10月9日
(8月分)
10月14日
(9月分)
11月6日
(9月分)
11月18日
(9月分)
11月10日
(9月分)
11月12日
(10月分)
12月9日
(10月分)
12月17日
(10月分)
12月10日
(10月分)
12月12日
(11月分)
12月24日
(10~12月期)

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