ESRI通信 第35号

平成23年7月12日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【なぜ未婚男性が増えているのか】

先般、2010年の合計特殊出生率が発表になりました。30代後半の団塊ジュニア世代や第2子の出生が増えたことなどで、1.39と前年に比べやや上昇しました。ただ、長期的に見ると、我が国の出生率は低下傾向で推移しており、その背景には、未婚や晩婚化・晩産化といった要因があると指摘されています。特に、我が国では、婚外子の割合が約2%と、欧米諸国の30~50%に比べて極端に低いことから、未婚化の進展は出生数の減少に直結します。

この未婚率ですが、男女ともに上昇傾向にありますが、特に、男性の未婚率の上昇が著しく、例えば、30~34歳、35~39歳の男性の未婚率は、1975年時点で、それぞれ14.3%、6.1%だったものが、2005年には、それぞれ47.1%、30.0%に達しています。また、生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)の上昇も男性で著しく、2005年で16.0%と過去30年間で約8倍に上昇しており、今後についても、2030年には29.5%にまで高まるものと見込まれています。

男性の未婚者が急増している背景には、職場結婚やお見合いが減って適当な人にめぐり合えないことや、女性の経済力が向上していること、コンビニ等が普及して一人暮らしをしていても不便を感じなくなっていること、ある年齢になったら結婚すべきといった社会的価値観が弱まっていること、など様々な要因があると考えられますが、私は、非正規労働者の増加、経済の長期的な低迷に伴う雇用の不安定化と低所得化の影響がかなりあるのではないかと考えています。既存の統計データを見てみても、正規労働者に比べ非正規労働者の方が結婚した人の割合が低く、年収別にみても、年収の低い人の方が結婚した人の割合が低くなっています。だからと言って、「いずれは結婚したい」という結婚の意向が衰えているわけではありません。

以上のような状況を踏まえ、経済社会総合研究所少子化ユニットにおいては、現在、未婚男性、特に、パート・アルバイト、契約社員、派遣労働者といった非正規労働者に焦点を当てて、結婚や家族形成に対する意識、正社員への転換希望、職業能力開発のための取組意向などをトータルに把握し、必要な施策のあり方について検討を行う調査研究を進めています。

私としては、現在求められている最も根本的な少子化対策は、何よりも雇用対策であるということを強調したいと考えています。今後、的確に調査研究を進め、今年度末には、皆様にその成果を報告させていただきたいと思います。

平成23年7月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    総括政策研究官 姉崎 猛

【最新の研究発表】

<報告書の掲載>


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<開催案内>

  • 「震災復興と統計—統計の果たすべき役割とは?」 第47回 ESRI–経済政策フォーラム(平成23年7月21日開催)

<報告書の掲載>


【最新の統計】

<SNA統計>

  • 平成23年1–3月期「民間企業資本ストック速報」における除却額の推計方法の変更について(平成23年6月23日)
  • 四半期別民間企業資本ストック速報(平成23年1–3月期)(平成23年6月30日)
    • 1.有形固定資産 全産業(進捗ベース)
      • 23年3月末のストックは1,231.0兆円、前年同期比1.5%増となり、6期連続のプラスとなった(前期1.7%増)。
      • 23年1~3月の新設投資額は20.2兆円、同2.5%増となり、4期連続のプラスとなった(前期8.9%増)。
    • 2.無形固定資産 全産業(取付ベース)
      • 23年3月末のストックは35.6兆円、前年同期比1.3%減となり、5期連続のマイナスとなった(前期0.8%減)。
      • 23年1~3月の新設投資額は2.1兆円、同3.9%減となり、10期連続のマイナスとなった(前期1.1%減)。

<景気動向指数>5月速報(平成23年7月6日)

  • 5月のCI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数:99.8、一致指数:106.0、遅行指数:91.5 となった。
    先行指数は、前月と比較して3.6 ポイント上昇し、3ヶ月振りの上昇となった。3ヶ月後方移動平均は1.17 ポイント下降し、3ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.40 ポイント上昇し、2ヶ月振りの上昇となった。
    一致指数は、前月と比較して2.4 ポイント上昇し、2ヶ月連続の上昇となった。3ヶ月後方移動平均は0.17 ポイント下降し、3ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.66 ポイント上昇し、22 ヶ月連続の上昇となった。
    遅行指数は、前月と比較して0.7 ポイント上昇し、2ヶ月連続の上昇となった。3ヶ月後方移動平均は0.43 ポイント上昇し、4ヶ月連続の上昇、7ヶ月後方移動平均は0.39 ポイント上昇し、17 ヶ月連続の上昇となった。
  • 一致指数の基調判断
    景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している。ただし、東日本大震災の影響により、CI一致指数の3ヶ月後方移動平均の前月差がマイナスとなっている。

<機械受注統計調査報告>5月実績(平成23年7月7日)

  • 機械受注総額(季節調整値)の動向をみると、23年4月前月比3.1%増の後、5月は同2.3%減の1兆9,893億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、23年4月前月比3.3%減の後、5月は同3.0%増の7,334億円となった。このうち、製造業は同1.4%減の3,149億円、非製造業(除く船舶・電力)は同5.4%減の3,841億円となった。

<消費動向調査>6月調査(平成23年7月11日)

  • 平成23年6月の一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は、5月の34.2から1.1ポイント上昇して35.3となり、2か月連続で上昇した。消費者態度指数を構成する4項目全ての意識指標も、2か月連続で上昇した。
  • 消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について1年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合が増加して71.1%となり、「変わらない」と思うとの回答割合は減少して15.8%となった。また、「低下する」と思うとの回答割合は横ばい(5.9%)となった。

【参考】<月例経済報告>6月(平成23年6月20日)

  • 景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、このところ上向きの動きがみられる。
    • 生産は、東日本大震災の影響により減少していたが、上向きの動きがみられる。輸出は、減少していたが、上向きの動きがみられる。
    • 企業収益は、増勢が鈍化している。設備投資は、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きがみられる。
    • 企業の業況判断は、慎重さがみられる。
    • 雇用情勢は、東日本大震災の影響により、このところ持ち直しの動きに足踏みがみられ、依然として厳しい。
    • 個人消費は、引き続き弱さがみられるものの、下げ止まりつつある。
    • 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
  • 先行きについては、サプライチェーンの立て直しが進み、生産活動が回復していくのに伴い、海外経済の緩やかな回復や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、電力供給の制約や原子力災害及び原油高の影響に加え、海外経済の回復がさらに緩やかになること等により、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
7月6日
(5月分)
7月20日
(5月分)
7月7日
(5月分)
7月11日
(6月分)
8月5日
(6月分)
8月18日
(6月分)
8月11日
(6月分)
8月9日
(7月分)
9月7日
(7月分)
9月20日
(7月分)
9月8日
(7月分)
9月9日
(8月分)
9月12日
(7~9月期)

SNA(QE)統計の公表予定はこちらから


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