ESRI通信 第45号

平成24年5月18日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【巻頭言】

経済社会総合研究所の総括政策研究官として地域関連の研究の取り纏めを行っているが、ほとんどの時間は公共サービス改革推進室長、或いは官民競争入札等監理委員会の事務局長などとして、公共サービスの改革や行政改革に向けた政策立案及びその実施に携わっている。こうした政策の現場での実践と研究所での関連政策研究を同時に進めることは、一面時間管理の上での難しさがあるが、他面、大きな相乗効果が期待できる。

公民連携研究会の研究活動や同研究会主催で行ったセミナー「どうなる?この先の公有資産」は、その連携がうまく効果を発揮した例ではないであろうか。同研究会では、公営資産マネージメントの面で先進的な自治体からのヒアリングや東日本大震災後の自治体庁舎建設に関して、公民連携の具体的な事例を研究し、今後の効率的な施設整備に向けての手法などを研究してきた。その成果の発表も兼ねて2月に実施したものが標記のセミナーであり、東洋大学根本教授の基調講演の後、富山市森市長、秦野市志村氏からの事例報告を交えて、研究所関幸子客員研究員が加わってパネルディスカッションを行った。これらの連携の効果を見てみると、以下のような利点が指摘できる。

第一に、ファシリティーマネージメントに関する政策課題は公共サービス改革推進室の政策レポートで出された課題であるが、対象範囲が同室の所掌を超え、しかし極めて重要な課題であるため、研究所での研究課題とされた。

第二に、具体的な自治体における公有資産の需要推計などは、研究所の国民経済計算等における推計ノウハウが援用できる。

第三に、被災地での公有資産の有効活用例など機動的な調査は現業を有しない研究所でこそ可能。

第四に、セミナーではコンパクトシティーでモデル都市となっている富山市とファシリティーマネージメントで先進的な秦野市から具体的な報告を得たが、パネラー選定では公共サービス改革室の日頃の改革自治体との業務連携が大いに役立った。同セミナーの視点はその直後のNHK特集でも取り入れられており、社会的にインパクトを持った。

第五に、自治体から公共サービス改革推進室に派遣されている職員が研究会委員他との接触を通じて人的なネットワークを拡大することに役立っている。

経済社会総合研究所は多様化する内閣府の業務遂行の上で知的なバックボーンとして職員のキャリアパス上も大きな役割を果たしている。上記に一例を示したように、今後とも政策立案部局と研究所の一層密接な連携が図られることを期待したい。

平成24年5月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    総括政策研究官 舘 逸志

【最新の研究発表】

<報告書の掲載>


【最新の統計】

<SNA統計>

<景気動向指数>3月速報(平成24年5月9日)

  • 3 月のCI(速報値・平成 17 年=100)は、先行指数:96.6、一致指数:96.5、遅行指数:86.7 となった。
    先行指数は、前月と比較して0.6 ポイント上昇し、3ヶ月連続の上昇となった。3ヶ月後方移動平均は 1.20 ポイント上昇し、3ヶ月連続の上昇、7ヶ月後方移動平均は0.30 ポイント上昇し、6ヶ月連続の上 昇となった。
    一致指数は、前月と比較して1.3 ポイント上昇し、2ヶ月連続の上昇となった。3ヶ月後方移動平均は 0.67 ポイント上昇し、4ヶ月連続の上昇、7ヶ月後方移動平均は0.53 ポイント上昇し、6ヶ月連続の上 昇となった。
    遅行指数は、前月と比較して0.5 ポイント上昇し、2ヶ月連続の上昇となった。3ヶ月後方移動平均は 0.54 ポイント上昇し、8ヶ月連続の上昇、7ヶ月後方移動平均は0.54 ポイント上昇し、23 ヶ月連続の上 昇となった。
  • 一致指数の基調判断
    景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している。

<機械受注統計調査報告>3月実績および4~6月見通し(平成24年5月16日)

  • 機械受注総額(季節調整値)の動向をみると、24年2月前月比11.4%減の後、3月は同4.1%増の2兆2,094億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、24年2月前月比2.8%増の後、3月は同2.8%減の7,463億円となった。このうち、製造業は同8.4%減の3,174億円、非製造業(除く船舶・電力)は同3.9%減の4,180億円となった。
  • 1~3月をみると、受注総額は前期比7.1%増の6兆7,292億円となった。「船舶・電力を除く民需」は同0.9%増の2兆2,620億円、製造業は同0.1%増の9,804億円、非製造業(除船舶・電力)は同0.5%増の1兆2,791億円となった。
  • 4~6月見通しをみると、受注総額は前期比9.4%減の6兆971億円の見通しになっている。「船舶・電力を除く民需」は同2.5%増の2兆3,178億円、製造業は同2.6%増の1兆55億円、非製造業(除船舶・電力)は同0.5%増の1兆2,859億円の見通しになっている。
  • 平成23年度実績をみると、受注総額は前年度比2.7%増の25兆226億円になっている。「船舶・電力を除く民需」は同6.2%増の8兆9,742億円、製造業は同5.9%増の3兆9,284億円、非製造業(除船舶・電力)は同6.6%増の5兆698億円になっている。

<消費動向調査>4月調査(平成24年5月15日)

  • 平成24年4月の一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は、3月の40.3から0.3ポイント低下して40.0となり、12か月ぶりに前月を下回った。消費者態度指数を構成する4項目の意識指標のうち、「収入の増え方」は前月と比べて上昇したものの、「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」は低下した。
  • 消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について1年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合は増加して68.1%となった。他方、「低下する」と思うとの回答割合は5.8%、「変わらない」と思うとの回答割合は19.1%となり、ともに減少した。

【参考】<月例経済報告>5月(平成24年5月18日)

  • 景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある。
    • 生産は、緩やかに持ち直している。輸出は、持ち直しの動きがみられる。
    • 企業収益は、減少してきたものの、下げ止まりの兆しもみられる。設備投資は、このところ持ち直しの動きがみられる。
    • 企業の業況判断は、大企業製造業で下げ止まっており、全体としては小幅改善となっている。
    • 雇用情勢は、持ち直しているものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい。
    • 個人消費は、緩やかに増加している。
    • 物価の動向を総合してみると、下落テンポが緩和しているものの、緩やかなデフレ状況にある。
  • 先行きについては、復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待される。ただし、欧州政府債務危機を巡る不確実性が再び高まっており、これらを背景とした金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原油高の影響、さらには、デフレの影響等にも注意が必要である。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
5月9日
(3月分)
5月21日
(3月分)
5月16日
(3月分)
5月15日
(4月分)
6月7日
(4月分)
6月19日
(4月分)
6月13日
(4月分)
6月11日
(5月分)
6月11日
(4–6月期)
7月6日
(5月分)
7月19日
(5月分)
7月9日
(5月分)
7月10日
(6月分)

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